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一禍

【玖累のお部屋】961号室

この部屋は四畳一間の一室である。
余剰は一分も無く、きっちり図ったかのように畳四枚分だけが、その部屋の面積なのだ。
そして、その部屋にはテーブルと敷布団とジャンルもバラバラな本とボードゲームが収められた本棚だけが家具として存在する。

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「あ、やっちゃった。 うーん力加減が難しいなぁ、本当に『Lv1』(得たて)の頃に戻っちゃったみたい」
今の自分の能力では、以前の様に自由自在にとはいかないだろう。やれやれと大げさに首を振りながら肩をくすめる。

そしてある事に気付く、ああそうだ、気付いてしまった。甘ったるい匂いが充満するこの部屋で、その原因たる彼方此方に飛び散った林檎の欠片や果汁の跡の掃除に追われるであろう未来が!
「ああ、やっちゃった……誰だよ、こんな所で能力の確認をしようだなんて言いだしたのは! ……僕だよ!」
なんて一人芝居をかましつつ、目も背けたくなる現実と放置したことによって起こる惨事ににいやいやと首を振って、とりあえず飛び散った、今も溢れる果汁で床にシミを作る林檎の欠片から集め始めるのだった。

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