折角来てくれた者の事をよく知りたい、
或いは己が事も良く知って貰いたい。
その為の場を設けた。

雑談、挨拶等は食堂で構わんのだが、
初対面の相手が現れる度に長々と自分語りするのは面倒だろう。
纏めてで悪いが、気合いの入った自己紹介は此処で頼む。

新たに入った団員は話した奴の事を此処で調べると良いかも知れん。
何となくは人となりが分かるだろう。

まあ、そう言う事でな。
宜しく頼む。

私はジーク・N・ナヴラス。
種族はウォーカーのリッチで見たまんま骸骨だ。

肉体があった頃は魔法と科学が対立している世界で
魔法王国セラピニアという国の宮廷魔道士の人間の貴族だった。
魔法王国セラピニアは地球で言う所の
ヨーロッパ地図を上下反転させたヒスパニア地方に当たる。

私は愛する人を失った事によるショックで死者蘇生の術を求め部下230名程を実験素材にし、
そして出来たのが死霊術だった。私はその世界で死霊術の第一人者となってしまった。
そのうち歳を取るにつれ私は死に恐怖し、知識が失われる事を懸念した。
だから私は不老不死の研究を行い結果として不死だけが完成した。
しかし不死は完成しても不老は完成しなかった為
そのまま老いて数千年の時を経て白骨化し今に至る。

召喚される前はあらゆる国の刺客に追われつつリッチとして
人間の親しい友人と共に秘密裏に魂の研究を行っていた。