ギルドスレッド スレッドの一部のみを抽出して表示しています。 手記 【RP】前略、 【彼の花】 ハルシラ・ハース (p3p001286) [2017-08-18 01:57:44] -国の外れに、その森はあった。名はなんといったろう。森の入り口にあたる小さな村のだれもが、名前など知りはしない。――森は、森。どうやらよくない謂れを持つらしいその森を、村人たちはあまり好ましく思ってはいないようだった。森のかぼそい小路を、途中でさらに脇道へ逸れると、やがて小さな泉に行き当たる。あたりには小剣のような葉を持つ植物が群生し、季節になると素朴な、けれど美しい花を咲かせるのだが――今はまだ、その盛りには遠い。泉のほとりには、小さな家が一軒建っている。木材で作られた家はこの辺りではありふれた造りで、こじんまりとして、どこか忘れ去られた風情を持ちながらも、廃屋というふうではなかった。日が昇って、しばらく。朝もやが薄れ始めたその家の扉が、不意に開かれた。- →詳細検索 キーワード キャラクターID 検索する 【彼の花】 ハルシラ・ハース (p3p001286) [2017-08-27 16:58:15] (それは、出す当てのない手紙。いつか土産となるであろう、日々のこと) キャラクターを選択してください。 « first ‹ prev 1 next › last » 戻る
国の外れに、その森はあった。
名はなんといったろう。森の入り口にあたる小さな村のだれもが、名前など知りはしない。
――森は、森。
どうやらよくない謂れを持つらしいその森を、村人たちはあまり好ましく思ってはいないようだった。
森のかぼそい小路を、途中でさらに脇道へ逸れると、やがて小さな泉に行き当たる。
あたりには小剣のような葉を持つ植物が群生し、季節になると素朴な、けれど美しい花を咲かせるのだが――今はまだ、その盛りには遠い。
泉のほとりには、小さな家が一軒建っている。
木材で作られた家はこの辺りではありふれた造りで、こじんまりとして、どこか忘れ去られた風情を持ちながらも、廃屋というふうではなかった。
日が昇って、しばらく。
朝もやが薄れ始めたその家の扉が、不意に開かれた。
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