ギルドスレッド
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手記
(そこは、店構えからしてどこか古びた雰囲気があった。店内は薄暗く、小さなガラスの窓越しに、林立する棚に数えきれないほどの商品が並べられているのが見えた。紙と、ほこりと、インクのにおいが漂ってきそうな……)
……本。
(書店だった。ぼんやりとしたまま、無意識に足が動いていた)
……本。
(書店だった。ぼんやりとしたまま、無意識に足が動いていた)
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下宿先で朝食をもらい、数少ない私物を手に外へと出た。
今のところのは私は無職で、やるべきこともなにもない。
強いて言えば、この世界についての最低限の知識を得るために、ギルド・ローレットへと足を運ぶことが日課だった。
そうして知ったことは数多いが、正直『特異運命座標』が一体どういう存在であるのか、いまだによくわからない。実感もなかった。
――溜息を堪えて、小さく苦く笑った。
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