ギルドスレッド
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手記
不思議だわ。異世界でも、王様がいて、貴族がいて、街があって……ひとの営みに、大した違いはないものなのね。
(幼い子どもが両親らしきひとと手を繋いで歩く姿に、口許を緩める。店先で赤子をあやす女性の姿もある。たとえ彼らが鳥獣のそれに似た外見をしていようと、親を慕い、子を慈しむ姿は、私の記憶にあるものと違わない)
(幼い子どもが両親らしきひとと手を繋いで歩く姿に、口許を緩める。店先で赤子をあやす女性の姿もある。たとえ彼らが鳥獣のそれに似た外見をしていようと、親を慕い、子を慈しむ姿は、私の記憶にあるものと違わない)
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下宿先で朝食をもらい、数少ない私物を手に外へと出た。
今のところのは私は無職で、やるべきこともなにもない。
強いて言えば、この世界についての最低限の知識を得るために、ギルド・ローレットへと足を運ぶことが日課だった。
そうして知ったことは数多いが、正直『特異運命座標』が一体どういう存在であるのか、いまだによくわからない。実感もなかった。
――溜息を堪えて、小さく苦く笑った。
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