ギルドスレッド
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手記
(舗装された石畳を歩くと、硬い靴音が響く。この街は、故郷の丘向こうの町よりもずっと整備が進んでいて、きれいで、人が多い。もしかしたら、豊かさでは王都にも近しいかもしれない。雰囲気もどことなく――そう、遠い記憶でしかないけれど、少し似ているような気もする)
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下宿先で朝食をもらい、数少ない私物を手に外へと出た。
今のところのは私は無職で、やるべきこともなにもない。
強いて言えば、この世界についての最低限の知識を得るために、ギルド・ローレットへと足を運ぶことが日課だった。
そうして知ったことは数多いが、正直『特異運命座標』が一体どういう存在であるのか、いまだによくわからない。実感もなかった。
――溜息を堪えて、小さく苦く笑った。
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