ギルドスレッド
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手記
(広場のベンチに腰を下ろして、目を閉じた。下した瞼の薄い皮膚越しにも、明るい陽射しが感じられる。耳を澄ませれば、木陰のささやきすら聞こえそうな、そんな雰囲気の良い場所だった。馴染みはないけれど、丘向こうの街で見かけた“公園”と同じようなものだろうか)
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下宿先で朝食をもらい、数少ない私物を手に外へと出た。
今のところのは私は無職で、やるべきこともなにもない。
強いて言えば、この世界についての最低限の知識を得るために、ギルド・ローレットへと足を運ぶことが日課だった。
そうして知ったことは数多いが、正直『特異運命座標』が一体どういう存在であるのか、いまだによくわからない。実感もなかった。
――溜息を堪えて、小さく苦く笑った。
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