ギルドスレッド
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手記
(“あの日”から、いくばくかの日が経った。私の肺を満たすのは、慣れ親しんだ、あの濃密な森と水の匂いではなく、排他的な小さな村のよそよそしい匂いでもなく、もはや記憶も薄れた美しき都の遠いそれですら、ないのだと。そう理解した)(このままただ嘆き続けていても、無意味であることも。諦めることも受け入れることも慣れている。それでも、理不尽極まりないと苛立つ気持ちを、どう宥めればいいのだろう)
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下宿先で朝食をもらい、数少ない私物を手に外へと出た。
今のところのは私は無職で、やるべきこともなにもない。
強いて言えば、この世界についての最低限の知識を得るために、ギルド・ローレットへと足を運ぶことが日課だった。
そうして知ったことは数多いが、正直『特異運命座標』が一体どういう存在であるのか、いまだによくわからない。実感もなかった。
――溜息を堪えて、小さく苦く笑った。
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