ギルドスレッド
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手記
(この感覚を、この無力感を、この脱力感を、どう言葉にすればいいだろう。この世界では、私の職業は何ら意味をなさない。歴史と共に生まれ、歩み、進化を遂げる言語というものへの敬意も、それを学ぶことも、操ることも、きっと私の世界とはまるで意味が異なるのだろう。あの長年の努力の結果が、この世界ではあたかも生得的な能力であるかのように、私に備わっているだなんて!)
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下宿先で朝食をもらい、数少ない私物を手に外へと出た。
今のところのは私は無職で、やるべきこともなにもない。
強いて言えば、この世界についての最低限の知識を得るために、ギルド・ローレットへと足を運ぶことが日課だった。
そうして知ったことは数多いが、正直『特異運命座標』が一体どういう存在であるのか、いまだによくわからない。実感もなかった。
――溜息を堪えて、小さく苦く笑った。
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