その部屋は女王の執務室から近い位置にある。

客人を招き入れるための部屋。

壁には絵画が並び、棚には珍しい陶器のカップや調度品が置かれていた。
部屋の中央には大きなテーブル。それを囲むようにゆったりとした黒革のソファー。
毛の長い絨毯は、まるでクッションのように柔らかな感触を足裏に伝える事だろう。

え……そこ残念がるの･･････？
欲しいの･･････？

昨日の晩御飯は高尚だったのかしら……。
要は、もっと身近な話ってことね。
そうねぇ･･････川魚探しに行ったかしらね？

うんまぁ、しないと思うけれど……でも、地球のごく一部地域ではそう信じられてたらしいから、そういうのもあるのかなって……。

･･････だって……（記憶の奥底を探る様に、手繰り寄せるようにしながら）
それが我（わたし）の始まりだから……。
我（わたし）が、我（わたし）でなかった時の、始まり。
「命令」にただ、従うのだけは･･････。
我（わたし）の中にある私を裏切る事になる。