その部屋は女王の執務室から近い位置にある。

客人を招き入れるための部屋。

壁には絵画が並び、棚には珍しい陶器のカップや調度品が置かれていた。
部屋の中央には大きなテーブル。それを囲むようにゆったりとした黒革のソファー。
毛の長い絨毯は、まるでクッションのように柔らかな感触を足裏に伝える事だろう。

出してくれないのですか
残念でございますねぇ……

こんな世界に来てまで世の与太話を話すのは
面倒がくさ過ぎて鼻が曲がってしまいますよ？
もっとこう、高尚なお話をしましょう。昨日の晩御飯とか（

水の女神ってそんな事してましたかね……？
神って面白い事をするんですねぇ（ｸｽｸｽ）

どうしてですか？
自分は他人が居ないと存在できないんですよね？
『そう定義された』って自分はそれに従っているって事と同義じゃないですか？
じゃあ簡単でございますよ。ただ命令を聞くだけでいいのです、何も考えないで良いのです。
そう、貴方は『定義』に縛られたヒトなんですから（優しい口調だが酷く悲しそうに）
さぁ、考えて下さい。貴方はどうして『それが出来ないのか』