その部屋は女王の執務室から近い位置にある。

客人を招き入れるための部屋。

壁には絵画が並び、棚には珍しい陶器のカップや調度品が置かれていた。
部屋の中央には大きなテーブル。それを囲むようにゆったりとした黒革のソファー。
毛の長い絨毯は、まるでクッションのように柔らかな感触を足裏に伝える事だろう。

あれよ。
我（わたし）に誘拐される契約書だわ？　いえ同意書ね。
ふふふ。

ふむ。
依頼が発行されたことで何かわかるかしらね。
探索ついでに見てこようかしら。

･･････まぁ魅了ってそんなものじゃないかしら。