その部屋は女王の執務室から近い位置にある。

客人を招き入れるための部屋。

壁には絵画が並び、棚には珍しい陶器のカップや調度品が置かれていた。
部屋の中央には大きなテーブル。それを囲むようにゆったりとした黒革のソファー。
毛の長い絨毯は、まるでクッションのように柔らかな感触を足裏に伝える事だろう。

（尻尾を、コルに向けつつ）
『我からみればあれほど堅苦しくない
　になるのだが...いろいろ興味深くはある』

『承ろう、我が契約者殿
　とは言っても、そう構える必要があるほど
　強力なギフトではないし範囲も狭い』

『半径５mで自身が持てる重量で
　認識しているものを手元に引き寄せられる程度だ』

『問題はただ、一点、有機物・無機物制限が無いことだな
　機械の部品など一つでも抜ければ大惨事も起こりうるし
　人間も部品で構成されているだろう？』