ギルドスレッド
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宿屋【金色流れ星】
「…ええ、そうね。ちょっとだけ、肌寒いかもしれないわ。」
窓から入る冷たいそよ風。
もうじき秋も終わり、冬がやってくる。
夜も遅いこの時間では、昼間暖かい風も冷気を纏って。
「ふふっ、兄様には特別よ?」
ぽんぽん、と彼が優しく誘う膝の上。
彼女は彼にもたれ掛かって、うりうりと自慢の髪を押し付けた。
「~♪」
目をつぶって空間を感じて、風を感じて暖かさを想って。
瞼の裏に蘇るのは在りし日の母との記憶。
(……たしか、こんな感じだったかしら。)
おぼろげな記憶を辿って音色を思い出す。
これは小さな子を想う母の歌。
その声色は赤子を包む柔らかな綿のように穏やかで、絹糸のように繊細で
耳触りの良い彼女の声は、小さな部屋を満たしてすっと夜の空へと抜けていった。
(ああ、なんだか歌っていると私まで眠くなっちゃうわね)
意識が溶けていくような、そんな心地よさに酔いながら
彼女は背中越しに感じる兄様に届くよう、ゆっくりと言葉を紡いだ。
窓から入る冷たいそよ風。
もうじき秋も終わり、冬がやってくる。
夜も遅いこの時間では、昼間暖かい風も冷気を纏って。
「ふふっ、兄様には特別よ?」
ぽんぽん、と彼が優しく誘う膝の上。
彼女は彼にもたれ掛かって、うりうりと自慢の髪を押し付けた。
「~♪」
目をつぶって空間を感じて、風を感じて暖かさを想って。
瞼の裏に蘇るのは在りし日の母との記憶。
(……たしか、こんな感じだったかしら。)
おぼろげな記憶を辿って音色を思い出す。
これは小さな子を想う母の歌。
その声色は赤子を包む柔らかな綿のように穏やかで、絹糸のように繊細で
耳触りの良い彼女の声は、小さな部屋を満たしてすっと夜の空へと抜けていった。
(ああ、なんだか歌っていると私まで眠くなっちゃうわね)
意識が溶けていくような、そんな心地よさに酔いながら
彼女は背中越しに感じる兄様に届くよう、ゆっくりと言葉を紡いだ。
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テーブルとイス、シングルベッドが置かれており基本的な家具は一通り構成そろっている。また、テーブルの上にはちょっと上手な作りのカピバラさんのぬいぐるみがおいてある。