店の扉をくぐるとテーブルの上に銀色のベルとノート、羽ペンが置かれているのが目に入る。
ふと、ノートに目をやるとノートの最初のページには『お名前と宿泊の有無』をお書きくださいと記されている。

※自己紹介をする場所です。自分のお名前や宿屋に宿泊を希望するかの有無、自身についての特徴などご自由にお書きください！
簡単にでもいいですし、長文をかいてもらってもかまいません！

また、宿泊を希望する方は2階にその方専用のお部屋ができますので気軽にお申しつけください。
最後に、銀色のベルを鳴らすとルルリアがやってきます。特に意味はないですが鳴らしてみるのもいいかもしれません！

そういえばこっちでちゃんと自己紹介していなかった。
８番、マルク・シリング。

この世界の出身で、いわゆる普通の人間（カオスシード）だね。
幻想と鉄帝の国境付近にある村で生まれたんだけど――色々あって、商家に引き取られて、いまの実家はそっちかな。
その後何年か兵役、といっても前線じゃなくて後方の輜重や補給を管理するような隊にいて、その兵役が明けた直後に空中神殿に呼ばれて、今に至るって感じ。

２階に部屋を借りていて、宿代の代わりにルルさんを手伝わせてもらってる。
主に薪割りとか水汲みとか、家具を動かしたり重いものを運んだりとかが、僕の仕事かな。
――執事服を着て給仕をする、なんて話も出てるけどね。