(無趣味と自分で言ってたクロバの部屋ではあるが、まさにその通りな内装で布団、低いテーブルが置かれているだけである。
他には精々適当に置かれた武器や気まぐれに買った本が並べられているくらいなものである。クロバ自身は何かおこうか考えているが、結局のところ見通しはない。

……さーて、姫さんの厚意に甘えて自分の部屋見繕っちまったわけだが。
寝る以外に何かあった方が楽しいのかねぇ。

……まー、考えたって思いつかねぇもんは思いつかねぇな。
ここに来たときにでも、ごろ寝しながら考えるとすっか。

いやいや、土日ってのはやる事多くていけねぇや……(布団の上で胡座をかいて、横に寝転がる

あ”ー、めんどくせぇ……(転がりながら

……ハッ、寝てたか。

そろそろ戻るとするか。

(最近になってクロバの部屋に熱を扱える機材と調理器具が置かれるようになった。
それにつられて本も増えたが、主に菓子作りのものが大体であり、味見役としてショコラを連れてこようと画策していたのだった。

（ドアの取っ手にポプリをかけて行く。中にはショコラサイズの文字で「いつもありがとう」と書かれた手紙が入っている。二枚目もある。「アイスクリームが食べたいです！！」ただの要望のようだ）

道具ここに一部置いてったままだったな……っと、ってあぁ？
なんだこれ。花の匂いがする奴だったか？

……差出人は、この字だとショコラか？
中身は……「いつもありがとう」、と「アイス食べたい」……なんだこれ、一枚目は分かるが二枚目ただの要望じゃねーか！

やれやれ……アイスなんて作った事ねぇっつーの。
かき氷とかだったら簡単にできたか……今度球磨に相談してみるか。

そういえば着替え置いてたっけな……。（濡れた羽織を干してから、そそくさと置いてあるものを漁る）

……しっかし、確かにちょくちょく寄ってはいたつもりだったが、全然来てなかったことに今気付かされるとは。オレも業深いもんだね。

（勝手に入って来たかと思うと、窓を開けて自分の体ほどのはたきで部屋の掃除を始めた）
よし！
（下のほうの、クロバが気付きにくいであろう場所に置いてある蜂蜜とハーブ置きに、ジャムの瓶も増え始めた）

（テーブルの上に割れたマロングラッセ置いて、いつもの場所に青いリンゴジャムを隠した）
もぅ、クロバったら相変わらず置きっぱなしなのよ！
（乾いた羽織りを何とかたたんで、ポプリと一緒に布団の上に置いておく。多少ぐちゃぐちゃなのは仕方がない）