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魔王神殿ズィンゲンレーゲル

レイン・ラディアの部屋

(一言でいうならば異質。
 豪奢な王座、神殿とはかけ離れた部屋。
 鳥かごが存在するが、鳥は存在せず
 とこにも通じない電話が1つ。
 机の上には、日記と万年筆。チョコレートが置いてある。
 ベッドにぽつんと古びたドラゴンのぬいぐるみがある
 ドラゴンにしては、その羽根は蝶のようだが…
 出入り口には、歯車とそれを回す取っ手。
 これを回すことで、ベッドに檻を下ろす仕組みとなっている。

 ―ーつまりここは、牢屋であった。)

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……全て、消えた。

消えて行くのを、この目で見たのだ。
地平線が……海が……森が、大地が…空が……全てが光の粒子となって消えようとしていた。
私の国、民達さえも消えていった。

……私の愛した者達も、私が皆にかけた魔法で何も知らず、感じずに、消えて行ったんだ。
…そして最後に私が消えようと、誓約が剥がされる感覚と共に肉体が無に帰ろうとしたのを……感じた。

…………そして、次に目を開けたのが、あの大神殿での光景……だった。

世界が崩壊から救われたのではなく、私が異世界へ来てしまったのと分かった後。
このギフトは……私に輝きを与えた。

何の冗談だと思ったとも。
あの世界での誓約が生きていたのだからね……だがそれは憶測に過ぎないとばかり思っていた。
だから私は今まで、『自分は死人なのだ』と思っていた。

……私を知った上で、愛おしいと言ってくれた君……
君に、レインに、聞きたい……私は、いや…私の世界は救われたのだろうか…?

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