ギルドスレッド
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アルトバ文具店
【茉莉花(まつりか)色の鉛筆・蒼灰のペーパーナイフ 1/2】
澄んだ青空の下、白磁の石道に軽快な歩みが刻まれる。
道脇に茂った茉莉花の、青々とした葉影から一筋の朝露が零れおちた。
掃除夫より早く通る道にはミルク色やアメジスト色の花弁が散らばっている。
水気を帯びた空気に混じる焼きたてのパンの香。小麦粉の香ばしさとバターのクリーム色を肺一杯に吸い込めるのは早朝の特権だとフェスタ・カーニバルは弾む心で考えた。
「どこにいこうかな!」
鼻歌交じりに歩く彼女の歩みは、次第に通い慣れた道へ続く。同調するリボンが、ふわりと揺れた。
特に決まった目的があって外へと出たわけではない。
朝早くに自然と目が覚めた。
窓の外には素敵な朝が広がっている。
散歩を趣味とする彼女が飛び出すには十分な光景と理由だった。
顔を洗い、自慢の茶髪を結い上げ、蜜柑色のリボンで結ぶ。
お気に入りのドーナツ柄の上着に手早く腕を通すと、少女は鏡台の前でくるりと回った。
ドーナツ柄の刺繍が雲のように浮かび上がる。
「よしっ」
フェスタは満足げに頷いた。
長方形の姿見の向こうから、柑子色の眼差しが行ってこいと語りかけてくる。
青空が描かれたメモ帳や色鉛筆といったお散歩グッズの入った鞄をつかむと、フェスタは一度部屋を振り返った。
「いってきまーす!」
無辜なる混沌での生活も、そろそろ一年を迎えようとしている。
ウォーカーであり、混沌座標でもある少女。
最初は戸惑いを見せていた住人も、今は心から彼女を歓迎していた。
それは類まれなる混沌座標としての実績や成果という数字だけでは無く、フェスタ自身の明るく人懐っこい人柄にも依るところが大きい。
幸せと、元気を与えてくれる少女。それが彼女に対する周囲の印象だった。
「おはようございまーす!」
ひょっこり。朝早くのギルド・ローレットを、そんな擬音と共にフェスタはたずねることにした。
早朝にも関わらず、ローレットには人が集まっていた。
酒場が盛り上がる夜半とは違った興奮と熱気。そしてどこか感じる慌ただしさにフェスタは首をかしげる。
澄んだ青空の下、白磁の石道に軽快な歩みが刻まれる。
道脇に茂った茉莉花の、青々とした葉影から一筋の朝露が零れおちた。
掃除夫より早く通る道にはミルク色やアメジスト色の花弁が散らばっている。
水気を帯びた空気に混じる焼きたてのパンの香。小麦粉の香ばしさとバターのクリーム色を肺一杯に吸い込めるのは早朝の特権だとフェスタ・カーニバルは弾む心で考えた。
「どこにいこうかな!」
鼻歌交じりに歩く彼女の歩みは、次第に通い慣れた道へ続く。同調するリボンが、ふわりと揺れた。
特に決まった目的があって外へと出たわけではない。
朝早くに自然と目が覚めた。
窓の外には素敵な朝が広がっている。
散歩を趣味とする彼女が飛び出すには十分な光景と理由だった。
顔を洗い、自慢の茶髪を結い上げ、蜜柑色のリボンで結ぶ。
お気に入りのドーナツ柄の上着に手早く腕を通すと、少女は鏡台の前でくるりと回った。
ドーナツ柄の刺繍が雲のように浮かび上がる。
「よしっ」
フェスタは満足げに頷いた。
長方形の姿見の向こうから、柑子色の眼差しが行ってこいと語りかけてくる。
青空が描かれたメモ帳や色鉛筆といったお散歩グッズの入った鞄をつかむと、フェスタは一度部屋を振り返った。
「いってきまーす!」
無辜なる混沌での生活も、そろそろ一年を迎えようとしている。
ウォーカーであり、混沌座標でもある少女。
最初は戸惑いを見せていた住人も、今は心から彼女を歓迎していた。
それは類まれなる混沌座標としての実績や成果という数字だけでは無く、フェスタ自身の明るく人懐っこい人柄にも依るところが大きい。
幸せと、元気を与えてくれる少女。それが彼女に対する周囲の印象だった。
「おはようございまーす!」
ひょっこり。朝早くのギルド・ローレットを、そんな擬音と共にフェスタはたずねることにした。
早朝にも関わらず、ローレットには人が集まっていた。
酒場が盛り上がる夜半とは違った興奮と熱気。そしてどこか感じる慌ただしさにフェスタは首をかしげる。
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どこかの誰かが見かけて、映し取った一ページ。
※おめでとう、そして遊んでくれてありがとうという感謝をつめた小噺。細胞分裂する。
※NPC,PPP一周年描写立候補スレッドにいらっしゃる方を事後承諾でお借りすることがございます。ご了承ください。