ギルドスレッド
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アルトバ文具店
●イーハトーヴ・アーケイディアン様(p3p006934)
「じーっ」
「えっと、オレに何か用?」
「無いわ。超ない」
即座に否定されイーハトーヴはびっくりしたように瞬いた。
不機嫌な様子で腕を組む相手に目線を合わせ、ゆっくりと喋る。
「そう?」
「ええ。話は以上よ。何か質問は?」
「質問は無い、よ?」
「なら会話は終わり。さようなら」
「分かった。何かあったら言ってね」
幼い子供を相手にするかのように優しく語りかけてから――イーハトーヴは再びカメーナエ画廊のなかを歩き出す。
「今日は画廊を開放してくれてありがとう。パルナスム博士」
「どういたしまして……。可愛いお嬢さんがたに絵を見せたかったんでしょう……?」
「うんっ」
「なら、絵もきっと喜ぶよ……」
次の部屋へと先導するため、ちょこちょこと前を歩いていた灰色のテリア犬、カメーナエ画廊の持ち主であるパルナスムがのんびりと告げた。
イーハトーヴの両肩には自分でバランスを取ったオフィーリアとメアリがちょこんと腰をかけている。
小さな二人を落とさないように、そして小さなパルナスムに合わせた一行の足取りはゆっくりとしたものだ。
深海色の壁紙に一定間隔で飾られた風景画はどれも同じサイズで、其の所為もあって薄暗い美術品展示室のなかは、まるで迷路のようだった。
そんな彼らから、一定の距離をあけて痩せぎすのタキシード姿がついてくる。
「好かれてるねぇ」
「そうだと良いなぁ」
続くイーハトーヴものんびりと続けて、チラリと背後を見た。
二人の話にしっかり聞き耳をたてている様子のマーレボルジェが、蝋人形のような白い顔と蒼い硝子玉の目をイーハトーヴへぬらりと向けている。
「彼女とも、仲良くなりたいから」
「なれるさ。闇深い者というのは、大抵。眩しくて純粋な者が好きだからねぇ……」
「違うわ。偶然行先が一致してるだけ。そこの犬。次にふざけたことを言ったら剥製にする」
「怖い怖い……」
「マーレボルジェ、前に見たときよりも元気そうで良かった」
物騒な単語を丸々無視して、イーハトーヴはうんうんと頷いた。
「時々、君の世界から、白いお友達が面会に来ているようだよ」
「そうなの? オレの知ってる人かなぁ」
「そうかもしれないね。たしか、君の話もしていたと――わぁ」
「剥製にする」
猫のように首根っこをつかまれたパルナスムはぐえぇと暢気な悲鳴をあげた。
「これは、いけない……。イーハトーヴくん、たすけておくれ」
「わ、わぁ!? ダメだよマーレボルジェ。犬を抱くときはお尻をかかえるようにするんだよ!?」
臨戦態勢をとっていたオフィーリアとメアリは「そこ!?」と言わんばかりに素早く同時にイーハトーヴを見た。
「お尻? 尻尾はどうするの。垂らせばいいの」
「そうだよ。もう少ししっかりと抱いてあげてね」
「固いしバランスも悪いけど、そこそこ抱き心地及第点」
「剥製にする」
しかし言われた通りにマーレボルジェがパルナスムを抱えなおしたのを見て、オフィーリアとメアリはやれやれと首を振った。
Thank you!
「じーっ」
「えっと、オレに何か用?」
「無いわ。超ない」
即座に否定されイーハトーヴはびっくりしたように瞬いた。
不機嫌な様子で腕を組む相手に目線を合わせ、ゆっくりと喋る。
「そう?」
「ええ。話は以上よ。何か質問は?」
「質問は無い、よ?」
「なら会話は終わり。さようなら」
「分かった。何かあったら言ってね」
幼い子供を相手にするかのように優しく語りかけてから――イーハトーヴは再びカメーナエ画廊のなかを歩き出す。
「今日は画廊を開放してくれてありがとう。パルナスム博士」
「どういたしまして……。可愛いお嬢さんがたに絵を見せたかったんでしょう……?」
「うんっ」
「なら、絵もきっと喜ぶよ……」
次の部屋へと先導するため、ちょこちょこと前を歩いていた灰色のテリア犬、カメーナエ画廊の持ち主であるパルナスムがのんびりと告げた。
イーハトーヴの両肩には自分でバランスを取ったオフィーリアとメアリがちょこんと腰をかけている。
小さな二人を落とさないように、そして小さなパルナスムに合わせた一行の足取りはゆっくりとしたものだ。
深海色の壁紙に一定間隔で飾られた風景画はどれも同じサイズで、其の所為もあって薄暗い美術品展示室のなかは、まるで迷路のようだった。
そんな彼らから、一定の距離をあけて痩せぎすのタキシード姿がついてくる。
「好かれてるねぇ」
「そうだと良いなぁ」
続くイーハトーヴものんびりと続けて、チラリと背後を見た。
二人の話にしっかり聞き耳をたてている様子のマーレボルジェが、蝋人形のような白い顔と蒼い硝子玉の目をイーハトーヴへぬらりと向けている。
「彼女とも、仲良くなりたいから」
「なれるさ。闇深い者というのは、大抵。眩しくて純粋な者が好きだからねぇ……」
「違うわ。偶然行先が一致してるだけ。そこの犬。次にふざけたことを言ったら剥製にする」
「怖い怖い……」
「マーレボルジェ、前に見たときよりも元気そうで良かった」
物騒な単語を丸々無視して、イーハトーヴはうんうんと頷いた。
「時々、君の世界から、白いお友達が面会に来ているようだよ」
「そうなの? オレの知ってる人かなぁ」
「そうかもしれないね。たしか、君の話もしていたと――わぁ」
「剥製にする」
猫のように首根っこをつかまれたパルナスムはぐえぇと暢気な悲鳴をあげた。
「これは、いけない……。イーハトーヴくん、たすけておくれ」
「わ、わぁ!? ダメだよマーレボルジェ。犬を抱くときはお尻をかかえるようにするんだよ!?」
臨戦態勢をとっていたオフィーリアとメアリは「そこ!?」と言わんばかりに素早く同時にイーハトーヴを見た。
「お尻? 尻尾はどうするの。垂らせばいいの」
「そうだよ。もう少ししっかりと抱いてあげてね」
「固いしバランスも悪いけど、そこそこ抱き心地及第点」
「剥製にする」
しかし言われた通りにマーレボルジェがパルナスムを抱えなおしたのを見て、オフィーリアとメアリはやれやれと首を振った。
Thank you!
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