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PPP三周年【旅行ノート】

机の上に草臥れたノートと混沌地図が置いてある。
或る旅人が書いた記録帳のようだ。

三周年を記念しての小話置き場です。
今年もPC、PL様のご厚意に甘える形となりますので、削除して欲しいなど御座いましたら
遠慮なくお申し付けください。

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●藍染め快男児 / ゴリョウ・クートン(p3p002081)様

 カムイグラ。合同祭事に沸き立つ浜辺。
 普段とは違う着こなしをした知人の姿もちらほら見かける。
「おっ、古木君。久しぶりだなぁ!」
「あ、ゴリョウく……!?」
 聞き慣れた声に振り返り、絶句した。
 青年だ。美丈夫と言い変えても良い。
 小麦色の肌に藍の浴衣がよく似合っている。柄は……何だろう。あまり見た事のない柄だ。
 快活で人懐っこい笑顔は彼そのものなのだが。
 なのだが!?
「どうしたの、ダイエットしたの、さっきまでは戦争映画に出てきそうな水着姿だったのに!?」
「俺のギフトだ。見せた事、無かったか?」 
 意外そうに目を大きく開いて、くははっと笑う姿はゴリョウ君のまま。
 ギフトの一言に大きく胸を撫で下ろす。寿命が5年は縮んだ気分だ。
「似合うねぇ」
 服もそうだが、景観にとけこんでいる。
 昨年までの海洋も合っていたが、彼は、カムイグラの風景にもよく馴染んでいた。
 というか実は日本出身なのではなかろうか。
 彼にはそう思わせる何かがある。
「そうだ、いつも美味しいお米をありがとう。また買いに行くよ」
 持ち帰り弁当は一人暮らしにはありがたい。米の味を思い出して思わず腹が鳴った。
「おうっ、いつでも来てくれや!」
 痩せていてもやはり彼だと思わせる豪快な気風。
 ところで一緒にいるのは彼女さん? そう聞くのも野暮だと手を振った。
 
●オランジュフェアリー / ポシェティケト・フルートゥフル (p3p001802)様

 真夏の青が眩しい。白銀の波しぶきが平和だ。
 浅瀬で水をかけあう人々をぼんやり眺めていると、鮮やかなオレンジ色が目に入った。
 水辺で戯れる一人と一匹。
 いや、二人? 二匹?
 いまだ多種多様なイレギュラーズの人称には悩まされる事が多い。
 
 綿花のような柔らかい白さ。
 頭から生えているのは鹿の角だろうか。
 見立てでは彼女は白鹿のブルーブラッドか、橙花のグリムアザース。
 踊るような足取りで宝石のようなネモフィラの海をかき混ぜ、眩しい太陽の下で華のような笑顔を咲かせている。
 うん、やはり妖精かな。そういうことにしておこう。
 流石にこれ以上眺めるのは不謹慎だし、不審者以外の何物でもない。

 実を言えば、彼女の姿を見かけたのはこれが初めてではない。
 まあ、大抵のイレギュラーズはそうであるのかもしれないけれど、
 彼女はいつでも神秘的で、どこか印象的だった。
 第一印象は神秘的な童話の主、かつて白鹿といえば神であったから仕方ない。
 第二印象は美しい妖精音楽家として。気まぐれに奏でた音楽はとても美しかった。

 いつか依頼で出会う事もあるだろう。ひりつく陽射しを遮るために両目を閉じた。
●蜂蜜ドール / イーハトーヴ・アーケイディアン(p3p006934)様

 根無し草の僕にとって、約束というものは嬉しく感じるもので。
 ついぞ最近出会った好青年と結んだ縁に感謝はすれども如何に表に出したものかと考える。
 可愛さとは無縁の生活を送ってきた自分が恨めしい。

 聞けば、ぬいぐるみ屋だとか。
 なるほど。最近聞くようになったおもちゃのお医者さんとは彼のことであったかと得心する。
 おもちゃや外傷だけではなく、よく人も心も癒しているので
 まあ大まかに言って彼は歩く総合病院と言っても差し支えないだろう。
 ……差し支えしか無いかもしれない。

 ともかく、ここは常連さんに可愛いものを聞くしかあるまいと決意した。
 なぜか年若い子ばかりを選んでアンケートを取ってしまったが
 ぬいぐるみ・かわいい・きれい・心和むという単語に重きを置いた結果である。
 イーハトーヴくん、許してほしい。
 君と共に酒を呑みたいとは思うが、酒を贈る相手としては罪悪感が凄いのだ。
 僕は彼を、どこか幼子と同じ範疇に入れているのかもしれない。
 主に、純粋という意味で。

 結局のところ、染めた糸を贈るという点で落ち着いた。
 願ったり叶ったりである。
 問題は、試作の段階で作業机がふたつとも埋まってしまった事だろうか。
 これ、どうしよう?
●青空情報屋/ユリーカ・ユリカ(p3n000003)様

 バールである。
 長年見て見ないふりを続けてきたが、そろそろ年貢の納め時なのかもしれない。
 再度見る。
 どう見ても、バールである。
 
 また一つ歳を重ねた彼女のお祝いにとギルドを訪れて
 目にしてはいけない光景を目撃してしまった。
 出直そう。
 僕は何も見なかった。
 どうしてそんな武骨な武器を選んだのかとか、
 どうして年々ジャストフィットした形態になっていくのだとか、
 レオンさんを沈めるということは、瞬間攻撃力は梅泉さんと並ぶのではないかだとか、
 細々した疑問は尽きないけれど、今日のところは出直そう。

 包丁である。
 今回の話題は女性のプライバシーに関するためとても口に出すのが憚られる。
 そのため聞かなかったことにしても許されるだろう。
 三十を過ぎてからと云うもの、失言には一層怯えて生きねばならぬ。
 再度見る。

 包丁である。
●明彩白鴉 / 閠(p3p006838)様

 ネオ・フロンティアと神威神楽の合同祭事はめでたく今日を迎えたようだ。
 ごったがえす人混みのなかに見覚えのある白い翼が見えて、慌てて背中を追った。
「あ」
 声をかけようと手を伸ばして、普段と違う装いに気がついた。
 半袖のパーカーに南国らしいハーフパンツは、普段の彼…彼女…
 いつもの閠ちゃんのイメージとは異なる、活動的な格好だった。
 とても似合っている。けれど。どこかが。
 何かが違っているような不思議な感じがぬぐえない。
 そもそも閠ちゃんは歩きながらアイスを食べるような子だったろうか。
 振り返った拍子に傷だらけの手足が見えた。
 古傷にしたって大きすぎる痕。その数の多さに思わず言葉を無くしてしまう。
 金、そう眇めた金と目があった。
 綺麗だなあ。
 話には聞いていた。
 クロちゃ……クロさんとシロさんには会った事があるけれど
 この人と会うのは初めてのはずだ。多分、恐らく。
 なので初めましての代わりに「水着、似合っているよ」と力強く感想を言った。

 相手の反応から鑑みるに、どうやら初手から会話を間違えたようだ。

 

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