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異世界歴史学研究調査事務所

応接室の日常

 外面を整えまくっている異世界歴史学研究調査事務所だが、その実その取り繕った立派さを発揮する事は滅多にない。何故ならそれを利用する立場にある男が非常に面倒臭がりであり投げ遣りだからだ。
 例えば、己の伝記を書かせるのに大枚をはたきそうな金持ちの上客であれば、男は部屋を改めて整え、不精髭を剃り、髪の毛をキッチリ撫でつけて出迎えるだろう。
 だがそう言った上物の依頼客は事前の予約が必須としている。『忙しい≒凄い繁盛してますよ』アピールをする為にもそこは徹底しているし、そもそもそう言う類の客は普通事前に連絡か人を寄越すのでどの道飛び込みはほぼあり得ない。

 よって、平時の応接室はつまり、男にとってはのんべんだらりだらけるための休憩スペースに他ならないのである。

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この姿であってもわたしは複雑さを得ることで身を保っていると認識している。
ただそれは……嗜好品?に当たるものと言えるだろうか。先程の珈琲のように、必須ではない。
小さき者の体となった今、維持のために必要な複雑さは以前よりもはるかに少ない。
そしてそれは、一般的に食事と呼ばれるもので十分賄える。
ありていに言えば、普通に飲み食いすれば良いという話なのだ。

話を戻そう。何を成していたか、だったかな?成すというのは、作り上げる、達成する、そういった概念だろう。複雑さの消費だけでは物語にはなるまい。そこで次に、わたしが邪神と呼ばれたことについて話そうと思う。問題はないだろうか?

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