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異世界歴史学研究調査事務所

応接室の日常

 外面を整えまくっている異世界歴史学研究調査事務所だが、その実その取り繕った立派さを発揮する事は滅多にない。何故ならそれを利用する立場にある男が非常に面倒臭がりであり投げ遣りだからだ。
 例えば、己の伝記を書かせるのに大枚をはたきそうな金持ちの上客であれば、男は部屋を改めて整え、不精髭を剃り、髪の毛をキッチリ撫でつけて出迎えるだろう。
 だがそう言った上物の依頼客は事前の予約が必須としている。『忙しい≒凄い繁盛してますよ』アピールをする為にもそこは徹底しているし、そもそもそう言う類の客は普通事前に連絡か人を寄越すのでどの道飛び込みはほぼあり得ない。

 よって、平時の応接室はつまり、男にとってはのんべんだらりだらけるための休憩スペースに他ならないのである。

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……邪神。しれっと邪神って言ったな今。
まあ、そんだけのサイズがあればそうとも呼ばれるか。

…!
(一気に呷ったのを見て絶句)
……ちょ、お、おい大丈夫か熱くないのか!?

(慌てて中腰になって立ち上がりかけるが、平気な顔でコップを戻すのを見て数秒固まった後ゆるゆると座り直す)
……ふー。脅かさないでくれ。いや、そんな心算も無さそうか……
毒の味、ね……確かにこいつはある種の薬効があるらしいし、過ぎれば毒になる代物ではあるな……いや、そもそも苦味の事か?
ああ、砂糖とミルクは必要なら使う物であって、別に使わなきゃいけない物じゃない。調整用さ。気にしないでくれ。

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