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異世界歴史学研究調査事務所

応接室の日常

 外面を整えまくっている異世界歴史学研究調査事務所だが、その実その取り繕った立派さを発揮する事は滅多にない。何故ならそれを利用する立場にある男が非常に面倒臭がりであり投げ遣りだからだ。
 例えば、己の伝記を書かせるのに大枚をはたきそうな金持ちの上客であれば、男は部屋を改めて整え、不精髭を剃り、髪の毛をキッチリ撫でつけて出迎えるだろう。
 だがそう言った上物の依頼客は事前の予約が必須としている。『忙しい≒凄い繁盛してますよ』アピールをする為にもそこは徹底しているし、そもそもそう言う類の客は普通事前に連絡か人を寄越すのでどの道飛び込みはほぼあり得ない。

 よって、平時の応接室はつまり、男にとってはのんべんだらりだらけるための休憩スペースに他ならないのである。

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(※会話RPのテンポを保つ為湯が沸き珈琲が入るまでの時間を省略!)

ほい、完成だ。
雑な淹れ方で済まないがね。インスタントとは言え一応、飲み比べて割と味の良いと思った粉を選んである。好みに合えば良いが……
(ラクタの前に珈琲と砂糖壺とミルクを置く)
甘さが足りないと思ったらそっち、苦いと思ったらそっちを足してくれ。
好みは人それぞれだからな。

(自分の分も置いて席に着く)
さて、じゃあ聞こうか。
そうだな……伝記にするって意味では、君が故郷でどんな事を成したか辺りの話が順当かね。

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