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異世界歴史学研究調査事務所

応接室の日常

 外面を整えまくっている異世界歴史学研究調査事務所だが、その実その取り繕った立派さを発揮する事は滅多にない。何故ならそれを利用する立場にある男が非常に面倒臭がりであり投げ遣りだからだ。
 例えば、己の伝記を書かせるのに大枚をはたきそうな金持ちの上客であれば、男は部屋を改めて整え、不精髭を剃り、髪の毛をキッチリ撫でつけて出迎えるだろう。
 だがそう言った上物の依頼客は事前の予約が必須としている。『忙しい≒凄い繁盛してますよ』アピールをする為にもそこは徹底しているし、そもそもそう言う類の客は普通事前に連絡か人を寄越すのでどの道飛び込みはほぼあり得ない。

 よって、平時の応接室はつまり、男にとってはのんべんだらりだらけるための休憩スペースに他ならないのである。

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……ふむ。ちょっと待ってくれちょっと整理する。
焦るとこんがらかりそうだ。
(腕組みして暫く黙考)

うん……なるほど。何となくだが多分分かった。
考えられるのは2パターンあるって事だな。
俺達の基準で測るからとんでもなく聞こえるだけでラクタ君の世界じゃ普通の事なんだよってパターンと、そもそもラクタ君の居た世界が何もかもが超小さいミニチュア世界だったんだよなんだってーってパターンか。なるほど……
こりゃあ興味深い。君の言う通り確認の取りようが無いからただの思考実験に過ぎなくはあるが……Tipsとしては面白い考察になりそうだな。

いやいや要領を得ないなんて事はないさ。俺みたいなおっさんにはちょいと難しくはあったがね。それも何とかかんとか追いすがれる範囲だ。
(肩を竦めて笑って見せる)

まあしかし、そこは君が言った通り語りつくしても此処までだろう。
別の方向から話をしてくれるってなら、それ自体には賛成だ。

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