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異世界歴史学研究調査事務所

応接室の日常

 外面を整えまくっている異世界歴史学研究調査事務所だが、その実その取り繕った立派さを発揮する事は滅多にない。何故ならそれを利用する立場にある男が非常に面倒臭がりであり投げ遣りだからだ。
 例えば、己の伝記を書かせるのに大枚をはたきそうな金持ちの上客であれば、男は部屋を改めて整え、不精髭を剃り、髪の毛をキッチリ撫でつけて出迎えるだろう。
 だがそう言った上物の依頼客は事前の予約が必須としている。『忙しい≒凄い繁盛してますよ』アピールをする為にもそこは徹底しているし、そもそもそう言う類の客は普通事前に連絡か人を寄越すのでどの道飛び込みはほぼあり得ない。

 よって、平時の応接室はつまり、男にとってはのんべんだらりだらけるための休憩スペースに他ならないのである。

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その言葉は素直に受け取れば嬉しいと思うことなのだろう。
かつてのわたしは、いくつもの姿を持っていた。銀河を渦と見るか、川と見るかのように。同じものでもなぞらえる言葉はいくつもあるのだ。
(真似るように、指を三本立てて)
だが、それぞれは等価ではない。
(中指から順に指を折り、親指だけ残して)
わたしにとって、邪神は親指なのだ。わかるだろうか?
(少しだけ首を傾げ)

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