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異世界歴史学研究調査事務所

応接室の日常

 外面を整えまくっている異世界歴史学研究調査事務所だが、その実その取り繕った立派さを発揮する事は滅多にない。何故ならそれを利用する立場にある男が非常に面倒臭がりであり投げ遣りだからだ。
 例えば、己の伝記を書かせるのに大枚をはたきそうな金持ちの上客であれば、男は部屋を改めて整え、不精髭を剃り、髪の毛をキッチリ撫でつけて出迎えるだろう。
 だがそう言った上物の依頼客は事前の予約が必須としている。『忙しい≒凄い繁盛してますよ』アピールをする為にもそこは徹底しているし、そもそもそう言う類の客は普通事前に連絡か人を寄越すのでどの道飛び込みはほぼあり得ない。

 よって、平時の応接室はつまり、男にとってはのんべんだらりだらけるための休憩スペースに他ならないのである。

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星の配置は重要だぞ。
数多の星に生まれる数多の生命はそれぞれ類似点と相違点が存在する。ひとつの銀河にまたとない植生を見るためにわたしはよく星々に手を加え……例えると、庭園を作るようなものだろうか。それを大きくしたものだ。

その自作の珈琲マップとやら、とても手間がかかって複雑さが高く美味しそうな匂いがするのだが。せめて一口……いや、わたしなりに複雑さを作れというなら従おう。
(白いメモ帳を受け取って)
こういう趣向も悪くはない。見た者が発狂するようなすばらしい珈琲マップを作ろうではないか。

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