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異世界歴史学研究調査事務所
単純に現在進行形で活躍している人物の伝記の方がそりゃあ需要は高いが、そう言う類は情報を集めなくても勝手に目に付く。そう言うのとは違って、今は息を潜めている者の中で、しかし世に示したい物が無い訳ではない個人。
そこに上手く合致すれば、良い客になる。
(コメカミを指先で叩きながら)
一切仕事のみの関係と決めた相手になら、もう少しは器用に立ち回れるんだがね……まあ、仕事の足しになる才能と言って貰えるなら、少しは救われるよ。
声に出さない言葉は伝わらず、文章にしない情報は広まらない。
道理ではあるが、中々弁えるのが難しい事柄ではあると思う。
(カップを口元に寄せる途中で思わず手を止めて)
……興味がある、か。それは光栄至極な言葉だが……
残念だが、俺自身は記事になるほどの実にも外連味にも溢れた人物では無いよ。
そこに上手く合致すれば、良い客になる。
(コメカミを指先で叩きながら)
一切仕事のみの関係と決めた相手になら、もう少しは器用に立ち回れるんだがね……まあ、仕事の足しになる才能と言って貰えるなら、少しは救われるよ。
声に出さない言葉は伝わらず、文章にしない情報は広まらない。
道理ではあるが、中々弁えるのが難しい事柄ではあると思う。
(カップを口元に寄せる途中で思わず手を止めて)
……興味がある、か。それは光栄至極な言葉だが……
残念だが、俺自身は記事になるほどの実にも外連味にも溢れた人物では無いよ。
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例えば、己の伝記を書かせるのに大枚をはたきそうな金持ちの上客であれば、男は部屋を改めて整え、不精髭を剃り、髪の毛をキッチリ撫でつけて出迎えるだろう。
だがそう言った上物の依頼客は事前の予約が必須としている。『忙しい≒凄い繁盛してますよ』アピールをする為にもそこは徹底しているし、そもそもそう言う類の客は普通事前に連絡か人を寄越すのでどの道飛び込みはほぼあり得ない。
よって、平時の応接室はつまり、男や男に近しい者にとってはのんべんだらりだらけるための休憩スペースに他ならないのである。