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ギルドスレッド

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遥か夏のカプリチオ

【入団報告】虚無よりの使者

「ハイ注目。今日からギルドの仲間になった「    」さんだよ。仲良くしてあげてね」

 その言葉を聞いて、僕は眼を疑った。
 あるいは、頭かもしれない。

 いつもどおり薄ら笑いを浮かべたギルドオーナーが手で示した先にいる人物は、朗らかに挨拶をしているようだった。

 断言はできない。
 
 その人は全身が墨を流したように真っ黒だったからだ。
 その人の喋る言葉はテレビの音量を0にしたみたいに何も聞こえてこないからだ。

 そもそも。さっきギルドオーナーはその人をなんと言って紹介した?
 その人は本当にそこ煮るのだろうか。
 その人はまるで世界からぽろりと欠落してしまったかのようだった。

「あぁ、丁度いいや。君、彼女を部屋に案内してあげてくれないかな?君の私室の向かいだから」

 これはきっと悪い夢なのだろうと、自分の部屋に戻ろうとした僕を、ギルドオーナーは目ざとく見つけて、そんな事を言ってきた。

 冗談じゃない。と言えたら良かったのだけれど
。あいにくと僕はそんなに気が大きくなかった。
 このギルドオーナーの機嫌を損ねたら何をされるかわかったものじゃないということもある。つい最近、罪のないワニが大量に殺された事件を僕は忘れない。

 それならば、存在すら定かではない彼女、女性なのだろう。オーナーの口ぶりからしたら。とにかく、彼女を連れてこの屋敷の中をすこし歩くほうがまだマシに思えた。

「えぇと。よろしく、ね?」
「       」

 彼女は何かを言ったようだった。頭に見える部分が少し動いたようだったから。きっと、僕の挨拶に返したのだろう。
 自分の推理を褒めたくなる。きっと僕は名探偵になれるだろう。向こうから話しかけられたとき、なんと答えれば良いのかという推理の答えは思い浮かばないけれど。








というわけで今回の入団者。
『』ミライ=アウスレーゼ=アンドウ
さんでーす。

はい。

えーと。はい。今のところですね。名前以外の情報がありません。
この界隈ね、実際にあって話したのにどんな顔してるのかわからないってこともままあるんですが。

えぇまぁ、私もね。人のこと言えるような自己紹介文じゃないですが。何だこのポエム。

いえ、決してね、話題に困ってるわけじゃあないんですよ。
えーはい。
こうしてみると罪と罰だけは最初から決定されてるんですね。この罪と罰がどういったものなのかよくわかってませんけど。
生きとし生けるものはすべて生まれながらに罪を負っているということなんでしょうか。

うん。

そんな感じで。
では以後よろしく。

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このギルドに関してはみんなのステータスシートは履歴書として提出してもらったことになってます

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