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潮騒の従者斡旋所

酒に対ては当に歌うべし

標本のように、棚に並ぶ瓶を見ていた。

似た色で固まる瓶もあれば、漬けられた果実の色を思わせる瓶もあり。

中でも店主が手に取ったそれは、光の色を蜜へと変えて、琥珀を思わせる美しさだったのを覚えている。

中に、なにかを閉じ込めているのが本当に琥珀のようだと。

飲む前に言う冗談ではないと、あの時の私は笑ったと思う。


……お酒の瓶を机に追いた従者は、唐突にそんな昔のことを思い出したのでした。

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(目の前で少なくなっていくグラスの水を確認しながら)
猫は、得意ではないですね。なにを考えているかわからぬものですから。
あれを愛らしいと思って飼っているのは、爆弾を抱え込むようなものです。
にゃあと鳴かれると背筋もヒレも伸びる思いなのですけれど。

人の衣服に抜け毛をつけるわ、買ってきた魚は横取りしようとするわ、嫌がらせのように狩ってきた骸を目の前に置いていくわ……全く。
(淀まず流れ続ける愚痴。それは、まるで体験談のように)

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