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潮騒の従者斡旋所
ええ、ええ。
……わたし、これを言うのは、生まれてはじめてになるかしら。
——乾杯。
(小さなグラスを掲げて。かちんと、甲高い音をひと鳴らし)
(それから、そうっと小さな唇をグラスにつけて)
(言われるまま、舐める程度のひと口を)
………………。
(つう、ん)
……わたし、これを言うのは、生まれてはじめてになるかしら。
——乾杯。
(小さなグラスを掲げて。かちんと、甲高い音をひと鳴らし)
(それから、そうっと小さな唇をグラスにつけて)
(言われるまま、舐める程度のひと口を)
………………。
(つう、ん)
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似た色で固まる瓶もあれば、漬けられた果実の色を思わせる瓶もあり。
中でも店主が手に取ったそれは、光の色を蜜へと変えて、琥珀を思わせる美しさだったのを覚えている。
中に、なにかを閉じ込めているのが本当に琥珀のようだと。
飲む前に言う冗談ではないと、あの時の私は笑ったと思う。
……お酒の瓶を机に追いた従者は、唐突にそんな昔のことを思い出したのでした。