大体が唾棄すべき無価値という沈泥。
そこに埋没するは死人か物漁りか。

そういった、とりとめもない日常。

全く。
「可能性の中心地」と自称したところで、仕事を与えなければ単なる可能性止まり。
頼むから経済を回してください。
経済が回れば、街を歩く人にも候補者が増えましょう。

はろうぃーん。素晴らしきことです。祭り事は経済が回ります。一時的とはいえ、活気が出る町並みをどうして否定できましょう？ ……とはいえ、一方の政(まつりごと)が改善されぬままでは、応急手当にしかなりません。それを……わかってはいるのでしょうけれど。

額には目を瞑りつつ、願い事を叶えるために対価が必要だと知っているのはとても良いことです。初回サービス、とも申しますからね。幼子の願いを叶えに参りましょうか。……しかし、最近の動向に反して周囲は静かですね。

損して得を取るのは慣れたもので。
自らの活躍を美談と称えられるのは悪い話ではありませんね。

次の仕事がしやすくなりますもの。

……従者の仕事だけでは当面の目標に大きく隔たりが。
やはりここはもう一つ、ポイント稼ぎをする必要がありそうです。

貴族が依頼主の仕事が、その後のコネと合わせて手っ取り早いのですけれど。

うーん、掃除が終わったら主人候補でも引っ掛けに行きましょうか。
多少悪者で、お金を多めに頂いても全く心が痛まない方が良いですねえ。

その前に、花粉症退治と参りましょうか。
何やら、お金の匂いが致します。

（険しい顔をして庭に餌を撒いている）

こーんにーち……あら、何やら餌が撒いてありますわね。
動物でも飼っているのかしら？

はいはい、従者をお求めの方ですか？ それとも郵便屋さん？

ふっふっふ、まあ、考えようによっては郵便屋さんとも言えるかも知れませんわね。
お久しぶりRemora、私を誰だか覚えているかしら？

おや、債務者。ではなく司祭様。どうしました？ ついに……ではなく単なるお手伝いでしょうか。

ついにも何も、まだ現職の司祭ですわよ！！クビになってたまるものですか！！！(大声)

でも、そんなことを言っていられるのも今のうちですのよ！
ホラ、御覧なさいな。これを見ても、まだそんな口が利けるかしら？

(チャリチャリと音がする革袋を見せびらかす。どうやら、幾らかのお金が入っているようだ)

まだ私、クビとまでは言っておりませんのに……。実際司祭でクビってどの程度のことをやらかすとそうなるのでしょうね。私、気になりますわ。

おや、そしてご返済ですか？
（目を輝かせながら、その音を聞いて）
お支払いいただけるならお客様としての対応を致しますけれども。

「まだ」ってことはやっぱり言おうとしていたんじゃない！
良いことRemora、聖職者というのはもっと敬うものでしてよ。
前科を背負って司祭をクビになったお歴々と一緒にしないで頂戴！

ふっふっふ、良い反応ね。そう、私、今日はお客様ですの。
砂漠で貴女にお支払いすることになっていたお金、耳を揃えて返しに来て差し上げましたわよ。
もっと丁重に扱って下さるかしら？

嗚呼、それにしても今日は空気が乾燥していますわね。私、ちょっぴり喉が渇いてしまいましたわ。
（革袋を見せびらかしながらポツリと呟く。ちなみにこの革袋、中を覗けば、期待した額の５分の１程度しか入っていないことが分かるだろう）

……ハッ。

あまりのことに私も暫く意識を失っておりましたわ。
果たしてどのぐらい時が流れ、どのくらいの利子が生まれたのでしょう。