花畑広がる原っぱに、鬱蒼と茂る森の奥に、街の路地裏に、海辺の洞窟の中に、その店は在る。縁があるなら、必要だと思った時にあなたはここに来る事ができるはずだ。

外観は二階建ての大きなレンガハウス。店の機能を持っている一階には商品陳列棚、カウンター、後は数人が談笑できる程度のテーブルと椅子が何セットか置いてある。

カウンターに置いてある椅子に座っているソレは笑って言った。

「いらっしゃい、何処でもないドコかへ。誰でもおいで。何か買いたければカウンターへ向かうといい。急ぎじゃないコは万色の“世間話”をしようじゃないか。ヒヒヒヒヒ……」

(撫でられると柔らかく笑って)

この世界は情報を拡散する手段が限られているから、地道な活動が必須だろうねぇ。それこそ、泥臭く足で営業する必要があるかもだ。まあ、我(アタシ)のとこのギルドで雇ってしまえば早いかもしれんが。(くすくす)

(拾子の視線に、ン？と緩く首を傾げた)