花畑広がる原っぱに、鬱蒼と茂る森の奥に、街の路地裏に、海辺の洞窟の中に、その店は在る。縁があるなら、必要だと思った時にあなたはここに来る事ができるはずだ。

外観は二階建ての大きなレンガハウス。店の機能を持っている一階には商品陳列棚、カウンター、後は数人が談笑できる程度のテーブルと椅子が何セットか置いてある。

カウンターに置いてある椅子に座っているソレは笑って言った。

「いらっしゃい、何処でもないドコかへ。誰でもおいで。何か買いたければカウンターへ向かうといい。急ぎじゃないコは万色の“世間話”をしようじゃないか。ヒヒヒヒヒ……」

なんだ、冗談も言えるんだな。いい事だ。
持ち合わせもねェのに店来る程無作法じゃねーよ。
これでも人間共に馴染もうと努力してっからな。
(百合草に代金を支払って)

勝手に動くコインが見たいのか？
それぐらいなら、ほれ。簡単だ。
(ポルターガイストでコインを数枚宙に浮かせて見せる)

……丁度だな。毎度あり。
冗談言えないほど終わってないつもりでね。ギリギリではあるけど。

向こうに居た頃は「無意識で動く筋肉の動き」……って聞いてたけど、此処じゃそんなもんなくても見放題だな……

まー、希望ヶ浜はねぇ。夜妖の方が来ちゃいそうだよね。
いずれにしろ、ああいうのは興味本位でやらない方がいいのは違いない。
それでもやりたがるのがニンゲンの業だけど。

……まぁやりたがらなくても向こうから来るけどな。
だから『ないものとして耳を塞ぐ』のが力の無かった俺達のやり方、なんだけど。
だったんだけど。


……だったんだけど、なぁ。

生きるにしたって死ぬにしたって
自分から行動起こすには気力がいるからな。
ギリギリの方が逆にいいかもしれんぜ？
自棄起こして馬鹿力発揮するにはピッタリな条件だ。
そういう時の人間は死にやすい。

混沌じゃ超常現象が日常茶飯事だからなァ。
これぐらいだと驚く奴もあんまりいなさそうだ。


ちょっかいかけられちまって大変だな？
構ってもらえねーと寂しくなって
余計にエゲツないことやりだすってのは、人外にはよくあることさ。
御守りでも身につけときな。

…そうだけどそうじゃないよ…

自棄になって死ぬか……それも早く死ねる条件だわな。
そんくらいで生きるのがウチには丁度いいかもしれないな。

まあ、今となっちゃ夜妖なんて出ても倒すのが当たり前になっちまった。
力を持つとその辺一転しちまうからな……

御守りをお探しの場合はサヨナキドリへどぉぞ……ってね。ヒヒ。

分かってる分かってる。
こういう事じゃねェよなァ。
「どういう原理で誰が動かしているのかすら分からない」
そういうのが見たいんだろ？
タネが分かってちゃつまらんわな。
(くつくつと笑いながらポルターガイストを解除して)

俺としちゃ、「自棄になって尚生き延びた」って結末の方が好みだけどな。
知ってるか？レディはこの世の宝なんだぜ。
可愛らしいレディなら尚更、な。

よっし、依頼行ってくるわ！
ウチのガキ共の為に色々と考えてくれてありがとな！
(購入したお土産を抱えて店から出て行く)

はいはい、またおいでねぇ。（手をゆったり振って）

……くだらねえ結末だ。
ウチにとってはな。その言葉は他の奴にとっておけや。

はいはい、毎度あり。
今後ともご贔屓にってね。

……なあ師匠。イメージとしてはこんな感じか？
（印を結んでみると、折り紙がすごいぎこちない動きで歩き出している）

おやま、器用ねぇ。いいコいいコ。(うんうんと頷いてぎこちなく歩く式を褒める)

いってらっしゃーい（手を振って見送り

式神とは違うけど、似たようなものは持ってるなー（罪十字浮かべながら

（店の中に入った際、先ほど親愛の人がいたような気配をなんとなく感じながら、）
どうも、商人殿！いつもお菓子と目覚まし時計でお世話になってます。
……点検って受け付けていますでしょうか？（と、カピブタ目覚まし時計を抱えつつ）

そうか。じゃあ仕組みは近いって事だな。
自在に操るにゃアンタくらいの手ほどきは必須だがね。
……しっかし陰陽術に手を出す日が来るとはな。

ん、いらっしゃい。
……時計の修理ねえ。ウチは専門外だぞ。

いらっしゃーい
時計の点検かー
私自身、機械みたいなものだけど機械いじりはできないなー

やァ、いらっしゃい。……あァ、その時計はウチで製作している目覚まし時計だねぇ。何か不具合が？

(瑠々さん、ルティエラさんのことを聞いて)
うーん、そうか…
本店に行ってみたらわかる気がしたが…

ああ、ちょっと最近この子の声が弱く感じてな
もしかして寿命かなにかかなって…
(と不安そうに時計をチラ見しつつ)

ふむ？貸してご覧。（ちょいちょいと指で時計を示して）

ああ、はい…これ…(と、時計を商人さんに渡してみる)

どれどれ……っと。
（時計の蓋を外して動力の残量を確認したり配線を覗いている）

…うン、大したことはないよ。
この程度であればすぐ戻る。

お、本当ですか！
ありがとうございます…中身、ちょっと開いたりするのも戸惑ってたもので…！

……時計の修理ねえ。
まあうちの店の品だし、修理できるのも当たり前か。

この時計に関しては特に珍しい技術は使われていないからねぇ。
商店街の中に時計店もあるから、今度利用してみるといい。中々圧巻だよ、あそこは。

（工具を出してくると軽く中を弄り）

……はい、終わり。動力の補給もしておいたからまた暫く保つと思うよ。

（リリオの旦那に時計を差し出す）

うーん…まあ購入した場所がここだったから、ってすぐに思いついて来ちまってた
ダメだったらダメで仕方ねーって思ってたけど、
それでも追い出さずに対応ありがとうな、赤いお嬢ちゃんも

なるほど…商店街の中の時計店…ありがとうございます
今度行ってみますね
(と時計を受け取ったあとで)
あ、ちなみに修理代はいくらでしょうか？

簡単な修理だからね、これくらいかな。（お安めの値段を電卓で見せて）

なるほど…っと(財布から取り出してお金を支払う)
…改めてありがとうございます！
よかったなー『キュー』、良い人にみてもらってー
(と呼びかけながら目覚まし時計の頭を撫でつつ)
…あ、ついでに色々みて回ってもいいですか？

……ウチはただの会計だよ。決めんのは店主なだけさ。
客をいきなり追い出したりしたら流石にな。

時計店ね……あんま興味なかったけど、言うなら見て見るか。

私は一応、治療師かな？
怪我とかしたら治すよ？

ただ機械とかは専門外なんだ、ごめんね？

…そうだとして、王様に仕える兵士にも意思があるように、
店主の元にいる店員だって、店主の決定に従うかどうかの意思があるはずだろ？
だから、今の感謝は、「店主さんの決め事にきちんと守ったうえで対応してくれた、
だから安心して取引できる」という意味で。（と会計といった瑠々さんにお金を支払う）

（ルティエラさんに向けて）
ありがとう、お嬢ちゃん。
…じゃあ時計でなく、おいらがガチで壊れてしまったら、修理してもらおうかなー。

いいよぉ。ゆるりと見ていくといい。

ありがとうございます！
…今日のおススメ、なにかなー…（と色々棚を見て回ろうとする…）

あー、そういう……だとしたらウチに意志はねえな。
店主である上に師匠だ。口出しする権利も意志もねえ。
……ん、丁度。毎度あり。領収書はいるかい？

へええ師匠か…！アンタにとってそれほど存在が重い人なんだな…あ、領収書、念のためにください。

今日のおすすめは……特には無いが。思わぬ出会いがあるかもしれないね。(くすくす)

はいよ。どこ宛てにする？
面倒なら上様でいいけど。もしくはレシートでいいなら。

思わぬ出会い、ね。そりゃ刺激的だ事。

思わぬ出会い？…なんだろうなあ…？

いやおいらの名前で。
お金どれほど使ったか、自分用に保管しておくんだ。
あ、おいらは『フーガ・リリオ』だ、よろしくな

さてね。その棚の中にいる"誰か"が、キミを気に入ったら呼ぶかもしれない。

『フーガ・リリオ』様、と。
ほい、練達形式の領収書しか知らねえから幻想の形式とか欲しかったら店主に言いな。

……そうだな。腕時計ってある？古めかしいアナログの。
一個、持っておきてえ。

ありがとう…形式は特にこだわってねーから大丈夫だ
(受け取って確認した後で懐にしまう)

誰かが呼んでる、ねえ…(と耳を澄ませながら見回ると)
…ん？(とカニクリームコロネのところで立ち止まる)
…なんだこれ？

ほう、腕時計……。ベルトは革がいいかい？

ああ、それ？カニクリームコロネ。

カニクリームコロネ……カニが入ってるのか？？？
（腕時計も気になるが、カニクリームコロネをじっと見る）

……上手く喰えないと火傷しそうなコロネだな？

お、火群……たしかに熱そうだなあ
……これ一つ貰えるか？(カニクリームコロネを一個)

ああ、いいよ。少しお待ち。
（のんびり立ち上がってカニクリームコロネをひとつ軽食袋に詰める）
──はい、コロネはこの値段ね。
（指の先にはコンビニのホットスナックくらいの金額が書いてある）

ありがとうございます！(とお金を出して)
よし、ちょっと試し食いしてみるかなー
(美味しかったらまた買って誰かにお裾分けしようとする)

…あ、そろそろ依頼に行く時間…商人殿方、
修理とかありがとうございます！
また来ます！
(とコロネと目覚まし時計を抱えながら出て行く)

そういえばよく考えればこちらで話してなかったことを思い出してな
遊びに来た

ああ、ちょいとお待ちね。キリがいいから掃除をしてしまうよ。

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