PandoraPartyProject

ギルドスレッド

商人ギルド・サヨナキドリ

応接室・一室

いくつもある様に見える部屋の一室。招いた客人の趣向に合わせていくつか楽器が棚に陳列されている。部屋では白髪の獣種らしき男が上等な紅茶を入れて件の菓子の用意をしていた。

その傍ではこのギルドの主が行李から楽器を取り出しては眺め、少ししてからふわふわと宙へ浮かべて近くの棚へ陳列させることを繰り返している。

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(白い狐耳を生やした和服の神主服の男性が扉を開け、「お待ちしておりました」、と恭しく礼をする)

やァ、いらっしゃい。ようこそサヨナキドリへ。入っておいで。(くすくす……とソレが笑う)
(先とは何処か違う場の空気感に少し驚きながら)ん…お呼び…感謝…失礼する…。(こちらも小さく一礼し、ゆっくり部屋へと足を入れ。)
(ハーモニカを宙へ浮かせて棚へ陳列しながら、ソファに座ったソレは男とも女ともつかぬ声で手招く)ヒヒ、鎮魂のフルートは他のコと縁を結んだが、何も魂に由縁があるのはあのコばかりでも無いからね。運が良ければキミを気にいるコもいるだろう。先ずはーーパイでも如何?(くすくすと自分の対面にあるソファを指差して)
(宙を舞う楽器の種類に少し息を飲みながら辺りを見渡してから自身を此処へ招いてくれた本人に目を向け)サヨナキドリ…噂に聞いた通り不思議な場所…そして不思議なお方…だ…。依然下さった食べ物だけでなくこう言った楽器類…他にも取り扱ってるの…で…?(ありがとう、と礼をしつつ指差されたソファに深く腰掛け)
武器商人、と最近は呼ばれているが何も取り扱いは武器に限らないからね。とりわけ、此度のギルドは同盟者も多い。必然、あらゆるモノに縁が結ばれるのさ。

(白髪の男が15cm四方の箱を持ってきてソファの間のローテーブルへと置く)
なるほど…人とその人が望む物を結ぶ…か…。武器商人は…その橋渡し役…と言う感じ…だろうか…。(ローテーブルに置かれた箱に、先から口もとの筋肉をあまり崩さない男の顔がピクリと反応し)
その通り。縁があるなら引き合わせ、場合によっては対価を得る。我(アタシ)はそういうことをしているのさ。

(白髪の男がナイフを片手に箱を開くと、バターの香りがふわりとその場を満たす。そこに入っていたのは円盤状に形成されたパイだ。見た目からしてアップルパイらしい。狐色に焼かれたパイにナイフが入れられるとサクッと軽快な音を立ててパイが切り分けられ、中から甘く爽やかな芳香を漂わせながら黄金色のりんごが顔を見せた)

エヴァーグリーンの旦那の果樹園のりんごで作ったものだ。これを見たらプライドの高い幻想の貴族も黙ってはいられない。
ん…それはさぞ…人々の…喜ぶ顔を…見たことだろう…。

(バターの香りと林檎の芳醇な香りが合わさって鼻腔を悪戯に擽り。)んんっ……これは…。(大好物を目の前に顔が綻びそうになるのを何とか保ち。)
同じくらい、人々の破滅もね。(くすくす)さて、お食べよ。

(白髪の男は綺麗に切り分け、小皿にパイを乗せて客人の目の前へと置いた。同時にとろりとした紅みを帯びる紅茶も隣へ添えられる)
ん…地震で抱えきれぬ望みに…破滅…か…浅ましくも、悲しく…そして儚いもの、だ…。

(テキパキと用意された目の前の物にゴクリ、と唾を飲み込んでからカチャリ、とフォーク達に手をかけ。サクッと言う小気味よい音色も楽しみながら1口、ゆっくりと慎重に口へと運ぶ。)んんっ…!!?(口の中に広がっていく生地と香るバター、林檎の甘さと酸味が独特の旋律を舌の上で奏でる。)
(甘く砂糖で煮詰められたりんごはシャリシャリとした食感で、バターの優しい味を纏ったパイ生地と合わさり早く次の一切れを食べて、と誘惑してくるようだ)

ヒヒヒヒヒ……だからこそ美しいし、醜いし、愛しいのさ。で、味はどーぉ?
(流石の味に思わず一度フォークをカチャリと置き。震えながら)俺の人生の中で一番美味しかったアップルパイは、ばあやの作ったものだったのに…思い出の味を塗り替える程の味、食感、甘さ…全てがこの1つに凝縮されていると言っても過言ではない…。舌の上でシンフォニーを奏でている…!(顔の硬さが解れ、饒舌にしゃべり始める)
そいつは重畳、エヴァーグリーンの旦那もほくそ笑むことだろう。後で土産に持たせようね。ブルーベリーやオレンジ、あのコは他の果物も手広くやっているから気に入ったら買ってやっておくれ。(くすくす)
(カチャカチャと忙しなくフォーク達を動かしてアップルパイを口へ運んでから再び置き、コクリと湯気立つ紅茶を飲み)……こんなに幸せな時間、久々に感じた…。ありがとう……このアップルパイは何度も食べたい…そう思える逸品だ…!
他の果物を使った品もあるのだろうか…正直自分自身は…料理が下手なので、果物を直接買うのは少々躊躇うが…このようなアップルパイやケーキ、ジャムなら…是非買おう…。
それはちょうどいい。菓子の販売もしているからね。タルト、パイ、ゼリー……ジュースも人気さ。キミは料理はあまり得意ではないのかな?(どこか情報を確認するかのような響きで)
タルトも…ぜひ食べてみたいものだ…。(食いつくように聞き)
んん…恥ずかしながら…どうも苦手で…。教えて貰っても…失敗してしまう…し…焦がしたりしまうんだ…。(少し恥ずかしそうにモゴモゴと言い)
よろしい、よろしい。タルトだね。

ヒヒ、上流階級のコは料理する機会そのものも少なかっただろうしね。無理も無いことだろうさ。(にこぉ…と目を細めながら)
んん…甘い物に…目がない…ので…色々なものを…食べたいと…思う…。(こんな大の男がはしたないな…と苦笑しつつ)

ん…基本は住み込みの…コックが作ってくれたし…甘い物は…母かばあやが焼いてくれていたし…な…。調味料も…よく知らないんだ…。(少し前までは黒焦げに焼けた肉を食べていたしな…と口をモゴモゴさせる)
食は人間の生命維持に必要であると同時に娯楽でもあるからね。恥じることはないさ、可愛い小鳥。
ま、料理は覚えておいて損はないと思うけどね。(クスクス)
曲を作曲する時…は…特に、摘めるもの等…糖分を摂取したく…なるな…。食事は…話を…しながらすると心が…豊かにも…なるし。(小鳥…?と思いつつ)

んん…精進しよう…いや…失敗することばかりだが…。(誤魔化すように最後の一口を放り込んでから紅茶を飲んでソーサーへ置き)ん、ご馳走様でした…。
小鳥。(くすくすと笑いながら、まるで思考を読んだ様にもう一度言って相手を指差す)ええと、そう、オソマツサマ。
んんん…小さくは…ないと思うんだが…?(髪の毛で見えない瞳に心読まれてるようで、苦笑して頬を掻き。)

とても…素敵なものを…ありがとう…。(満足したように頷くと、キョロリと目だけを動かして。周囲の楽器を気にしている様子。)
そお?小さくて可愛いよ?(くすくす)

あァ、そうだったね。キミはどんなコが好き?
それは…体の大きさ的なものでは…なさそうだ…。(釣られるように少し笑うが若干引きつっている)

ん…俺は…ヴァイオリン等の…弦楽器が…好きだが…色々コレクターも…している…どの子も…良い声で…歌うから…。(少し見ても?と立ち上がり)
もちろん。

(棚の中を見るならヴァイオリン、ビオラ、フルート、ハーモニカ、トランペット……さまざまな種類の楽器が陳列されている)
(肯定されもう一度頬をかいて、様々な楽器が陳列されている棚をゆっくりと見て)…これだけの種類…全部…混沌中から…?
ああ、混沌で生まれたコもいるが我(アタシ)と一緒に来たコも多いよぅ。
ん…と言う事は…武器商人は…旅人…?(道理で変った物や事を沢山持っているし知っているのだな…と少し納得したように見て)
その通り、我(アタシ)は旅人さ。界(さかい)を渡ってる途中で此処に呼ばれたんだよ。ヒヒッ…。
ん…異世界からの…来訪者は…千差万別…色んな者が…くるな…。皆…どの者も…面白い…人…ばかりで…話しても…飽きない…人ばかりだ…。
(ゆっくりと歩きながらふとヴィオラの前で止まり、じっくりと見て)
(丁寧に作り込まれたヴィオラだった。大きめに設計されたそれは力強い音を出せるのだろうな、とヴィオラについて知識のある者ならわかるだろう。「ブレーメン音楽店」とラベルが貼られているようだ)
あァ、ブレーメンの秘蔵っ子の作ったヴィオラだね。この混沌に「ブレーメン音楽店」ってあってね。そこのコが作ったものさ。とりわけそれは夜明けのヴィオラ、あるいは目醒めのヴィオラと呼ばれるものだ。
夜明け…目醒め…目の冴えるような音色が…するのだろうか…。(音色を聞いてみたいな…と呟き)
手に取って…弾いても…?(嬉しそうにバッと武器商人の方を見て)
当然。弾いてみるといい、気が合えばそのコがキミを選ぶ。(白髪の青年がヴィオラを手に取り恭しく差し出した)
…では……。(ゆっくりと受け取り。軽く弦に触れたりして音色を確認したり調節したりしつつ、ゆっくりと構え。ヴィオラの為に作られたソナタの一節を奏でる。)
(ヴィオラは力強い音を奏でーー空気がどことなく清浄な気で満たされるのを肌で感じることだろう)
(空気の響方や音色の伝わり方に少し微笑んでから最後はゆっくりと弾き終え、ゆっくりとお辞儀し。)
(ぱち、ぱちと拍手を送り)見事なものだね。そのコもキミが気に入ったらしい。
とても…音色の伸びのいい…ヴィオラだ…。(楽しかった、と言う表情で)
知ってるかぃ、夜明けのコエは魔を退ける。キミとは相性の良いコさ。
魔を退ける……か……(顎に指を当て少し考え)武器商人、この子を…俺が引き取っても…構わない…だろうか…?
ありがとう…素敵な音色の…この子…大事にする…。(嬉しそうに微笑み)ん……取引料…は……?(幾らだろう、と)
対価?うーん、どうしようかナー。キミは何を差し出せる?
何を……んん、具体的にはどういう物が…必要…?
必要なもの、というのは無いね。此度はキミとそのコの縁が合った結果でもあるから然程大きな対価を求めるわけで無し……ああ、でも、そうだなァ。(ふ、とソレがわずかに視線を左にーー彼の右眼にずらした)

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