PandoraPartyProject

ギルドスレッド

商人ギルド・サヨナキドリ

【RP】二階一室・裏

ソレは歌っていた。

なんの為に?

まるで何かを●●様に

ーーまるで何かを別つ様に

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(空間を分割し、存在を分割し、一時的に隔離された門の目の前でソレは人知れず小さな疲労の溜息をついた)
(朝長達が通った次元の穴。それがあった空間に諾々とした黒い霧が噴き出る。床を這うように地面へ降りていき、蠢きはじめた)
やァ、いらっしゃい。今日は先客万来だなァ。……お話してく?大詰めだしさ。
『君なら話す必要もなく全部を知り尽くしていそうだけどね。
しかし……どういう事かな。君から海の力が感じられるのは。』
(黒い霧はやがて、二対の黒い鮫の姿を模した。空をゆらゆら浮かび、歯を剝きだす)

『君からどんな罰が引きずり出せるのか、楽しみで仕方がない。』
我(アタシ)が知っているのは、我(アタシ)が視える範囲、聴こえる範囲での事だけさ。風たちはおしゃべりだから色々教えてくれるけど。で、海の力についてはそうだね。概ねキミが予想してる通りじゃないかナ。

我(アタシ)の罰、引きずり出したいの?そんな必要無いのに。我(アタシ)はいつも、罰と踊っているのだから。ねぇ、愛しいニンゲン。(とろりとソレは笑みを浮かべて)
『私はすでに人間ではないよ。憤怒と怨念を宿らせた器。肉もすでに闇に溶けきり失った。

君がワダツミの力を有しているなら、こちらとしては好都合だよ。引き剥がす手間が少し軽くなるわけだからね……。さて。

ここまで引っ掻き回してきた君に、少し褒美をあげようか。3つ。君からの問いがあれば答えよう。答えられるものならね。
要らないというのなら決着を。私は今、忙しいのさ。』
ニンゲンだよ、ニンゲンだとも。その果ては、ニンゲンしかなり得ない。

おや3つ。素敵な数だ。そうだなぁ、では、そう。御伽噺のような、そんなモノの代わりに。

まずは1つ目。

“キミが救いたいのは、だぁれ?”
『……元が人間だった、というだけではないかね。そういう君は違うのか?

(ひとつめの願いに鮫は尾を噛む蛇のように円をかいてぐるりとその場をまわる)

……それには答えよう。
“誰もいない”。この世界に救いはないのだから』
おや、キミも質問?いいけど。(くすっと笑い)
憤怒と怨嗟の醸造は、今となっては最早ニンゲンしかなし得ない業だとも。狗神、蠱毒すらニンゲンが絡む。
で、我(アタシ)がどうか?だったね。それは残念ながら我(アタシ)は答えを持ち合わせていない。気が付いたら空の上をぷかぷか漂ってたからね。興味本位で調べてはみたが、カミサマの場所に至っても答えはくれなかった。

それでは2つ目はこうしよう。

“キミにとって救いとはなんだった?”
『孤独な魔物だな、貴方は。私が生前に会えていたら、もっと興味を示していたかもしれない。

言った筈ですよ。救い、なんてものはこの世界にはない。
(答えた後に少し鮫のうちの1匹が俯いて考えるような素振りを見せる)
……ただ。私"個人"の考えならば、妹をこの手にかける事なく人生を終えたかった。
そういう悔悟はあります。』
我(アタシ)たちは本質的にはヒトリだけど、隣にいてくれるコもいるし退屈はしないかナ。何より、孤独よりもニンゲンへの愛しさの方が勝る。

それじゃあ、最後の質問。

“キミたちの全部が欲しいって言ったら、くれる?”
『そばに?勘違いなさるな。それは都合がよいからですよ。貴方という存在は危険だが、味方につければこれほどに頼もしい存在はない。

現に私も手こずりましたがね。ターフェアイト・キャラハン……彼は私の手駒に落とす算段だった。
死した後の骸を使ってね。
私から弟を奪ったばかりか、ワダツミの力までガメているなんて。そのうえで私が欲しいなどとーー……。

(鮫が牙をむく。一匹が右肩を、もう一匹が左肩に噛みつこうと牙を剥いた)

答えは“どうぞ。”心ゆくまで差し上げますよ!!』

(噛み付く事が出来たなら牙から。そうでないなら魔方陣を部屋の床一面に展開して、そこから武器商人に己の力を注ぎ込もうとする。それはとても冷たい、凍てつくような憎悪と孤独の感情と共に武器商人へ向けられた)

『貴方も所詮“混沌肯定Lv.1”それ以上の力を無理やり与えられたら……世界は貴方を潰さざるをえない!』
うン、別にそれでいいよ?都合のいい存在、結構じゃあないか。だって、

ーー我(アタシ)が人間(キミたち)を愛するのになんら問題がないからね。
(それは絶対的な一方通行の“愛”。無償の、本来なら称えられるであろうその愛は、しかしながらどこか悍ましさすら感じさせるほど異質だった)

(がつっ、がっ、と両肩に歯が食い込み力が流し込まれる。3対6枚の緑翼が広がりその力を取り込み……)
……これ、蠱毒だねぇ。良い趣味をしている。となると力の源泉は“これら”か。やれ、羽根を2回使い、魔術をじゃんじゃん使ってた甲斐があったというものだ。数分は保ってくれるかナ?

(憎悪、孤独。ソレにとっては慣れ親しんだものだった。滾るような瞳で殺されかけた事は100を超え、ヒトリを過ごした年数はいつの頃からか数えるのを止めた。それでもなお、ソレは世界とニンゲンを愛している)

ーー真砂。
(リンッ、と鈴の音。音が触れた先から、空気が清浄に侵される)
(いつの間にやらソレの背後に佇んでいたのは1人の青年だった。白地に紋付の袴、白狐の耳と尾を持つ青年は美しい白髪からポタリポタリと水を滴らせる。手にした鈴をもう一度、今度はシャン、とならし、鋭利な視線で前を見据えた)
『あまてらしますすめおおがみののたまわく
ひとはすなわちあめがしたのみたまものなり
すべからくしづまることをつかさどる こころは すなわち かみと かみとの もとのあるじたり
わがたましいをいたましることなかれ このゆえに
めにもろもろの ふじょうをみて こころにもろもろの ふじょうをみず
みみにもろもろのふじょうをききて こころにもろもろのふじょうをきかず
はなにもろもろのふじょうをかぎて こころにもろもろのふじょうをかがず
くちにもろもろのふじょうをいいて こころにもろもろのふじょうをいわず
みにもろもろのふじょうをふれて こころにもろもろのふじょうをふれず
こころにもろもろのふじょうをおもひて こころにもろもろのふじょうをおもはず
このときに きよく いさぎよき ことあり』

(朗々と青年が読み上げる詞は、祝詞。六根清浄の大祓)
『もろもろののりは かげとかたちのごとし きよくきよければ
かりにもけがるることなし ことをとらば うべからず
みなはなよりぞこのみとはなる わがみはすなわち ろくこんしょうじょうなり
ろくこんしょうじょうなるがゆえに ごぞうのしんくんあんねいなり
ごぞうのしんくんあんねいなるがゆえに てんちのかみとどうこんなり
てんちのかみとどうこんなるがゆえに ばんぶつのれいとどうたいなり
ばんぶつのれいとどうたいなるがゆえに
なすところのねがいとして じょうじゅせずということなし』

(崩れないバベルの恩恵の1つ。言葉がわかるという事は、たとえ宗教が違えどその理を理解しうるという事。理解してしまえばーー浸食が始まる)
『ーーむじょうれいほう しんどうかじ』
(神使の強烈な魂鎮め。ソレの身体を媒介として通し根こそぎ憎悪と孤独を慰撫にかかる。そう、攻撃にあらず。‘ただ鎮めるだけだ’。)
『見返りのない好意は、それだけで狂気だ。
貴方の生き方は私達にとても有害すぎる。』

(200を超えた怨念。その全てが完全な意思統一を出来る筈もなく。内側でざわつく者、渇望する者が現れる。
「そう、我々はニンゲンだ」「もう一度愛される?このヒトは私達も……」)

『あぁ、煩いな。』

(恨みの念でねじ伏せながら、鮫は一層顎に力を込めた。目の前で広がる翼に臆す事なく、並々と濁流のように怨念を注ぎ、そしてーー……目の前の存在の、キャパシティの大きさに顔を歪める)

『涼しい顔をしていられるのも今の内ですよ。私達の本体が私達の領域にいる限り、この怨讐は尽きる事がない!』
(無駄な足掻きだ。そう嘲笑した後。
現れた青年の気配に違和感を覚える。
黒い霧で濁った空気が澄み、祝詞がはじまれば左肩を食む鮫が牙を離した)

『馬鹿な……私達の、憎悪が……!』

(逃げをとるには既に遅い。祝詞を理解した瞬間「ぶつり」と何処かで千切れるような音がした。本体への影響を恐れ、差し向けた刺客とのリンクを遮断したのだ。
トカゲの尻尾切りのように見捨てられた二匹の鮫は、力に屈して床にどうっと倒れこむ。
力はありながらも、黒い霧に戻ることもできずただそこに横たわる)
(それはまるで、陸にうち上げられた哀れな魚のようだった)
『生きてやがりますか?何よりです…ちっ』(白髪の青年は罵倒と心配、舌打ちを器用にこなし主人へと確認を取る)

お陰様でね、真砂。ご苦労様。

『ありがとうございます、このクソ寒い時季に氷水で禊を行った甲斐がございました。それで、それをどうされるおつもりで?」(白髪の青年は哀れみの目線を鮫に向けた)

そりゃあ、ねぇ?(ソレは鮫のそばにしゃがんで眺める)
(鮫は争う力がないまま、それでも抵抗しようとヒクヒク痙攣していた。
うち一匹は完全に引き払いが完了していたようで維持が出来ず崩れて消えるが、
もう一匹……右肩に噛り付いて反応が遅れていた鮫には、まだ僅かに意識があるようだ。
落ち窪んだ瞼の奥に、弱々しい光が灯っている)
カワイソウにねえ、片方はカタチが無くなっちゃったか。でも大丈夫、このコたちはカタチを喪ったコらの集まり。だからみぃんな連れてってあげる。でも、“キミ”は……そう。一度、こっちへおいで。(懐から深紅の宝石を取り出しながら、優しく優しくその身体を撫でてやろうと)
(触れる手にチクチクざらつく質感を与えつつ、鮫は小さく震えていた。
滲む不安と諦めたようなネガティヴな感情。
猛獣の餌になりゆく小動物のように「好きにしてくれ」と言わんばかりに、身体の力を抜いて相手へ委ねた)
“キャハッ。キャハハッ、キャハハハハハハハハハ……”
(黒き不定形の落とし子らが、カタチを喪ってしまったモノを新しきハラカラとして迎え入れ無邪気に笑い声をあげる。たくさん、たくさん、たくさんいるのだ。さほど孤独は感じるまい)

よすがよ、赤い糸よ。キミは顛末を見届ける資格がある。その後は、さて。どうなるかは我(アタシ)の気分次第だが。嗚呼、そう、そう。そういえば、我(アタシ)の罰に興味があるのだっけ?なに、大したものでは無いとも。いつも共に踊っているとも。だから、さ。安心おし。
(優しい子守歌の様な囁き声で鮫に言って聞かせ、その御霊を赤い宝石へとしまい込もうとする)

(紅の契約者は触れるべきではなかったのかもしれない。その慈愛(つみ)に。その罰(ありかた)に。ただ、嗚呼、或いはーー)
ーーなにもかも、奪い去ってあげるから。

(手遅れだったのかもしれないが)
(するん、と宝石の中へ吸い込まれるように収まる鮫。迎え入れた事により、武器商人の中へルベライトの感情の断片が共有される。

妹と弟の事を可愛がっていた事。
儀式を経て、理不尽な家の掟で殺めてしまった妹への罪悪感と、頭首の儀式に選ばれなかった弟への密やかな妬み。
そして――…一番深く心の奥底に隠していた嫌悪感。
頭首の掟を嫌悪しながらも、その力を奮い続ける自分自身を、強く深く嫌っていた。

そして最後に、キャラハン家の秘術についての情報が与えられる。
ルベライトやアルク達がいる空間はルベライトが維持しており、その存在が滅ぼされる事により空間も、その中にいるものすべても巻き込んで消え去ってしまう事――。
『なにもかも、奪い去る』。まるでその一言を信じて、後を託すように)
『ああ、全くーーどうしてこうなるのだか』(頭が痛そうに白髪の青年は額に手を当てため息をつき)

じゃあ、留守を頼むよ真砂。(愛しげに指先で深紅の宝石を撫で、ソレは眷属へ命じる)

『ええ、ええ。あなた様がほったらかしの業務やら、有栖様のお世話やらさせていただきますとも』(溜息)

ヒヒヒ、辛辣だなァ。さて行こうね、ルベライトの旦那。(彼に言った通り、彼をよすがにして目的地を探る。幾度も大魔術を使い消耗し、大量の憎悪孤独をその身に受け、それでもソレはニンゲンへの愛しさとこの先に待ち受けるモノガタリを前にワクワクとした様子でいた)
(もう一度溜息をついて、ふっと青年の気配が消える)
(辿った先は深海のように冷たい空間。海龍殿へと続いていたーー)
https://rev1.reversion.jp/guild/473/thread/2479
ーーみぃつけた。……少しだけ、意趣返ししちゃおうか。何回か、うちのコがお世話になってる様だし、ね?(たいそうロクでも無い笑みを浮かべると、ごぽごぽと影が泡立ち、ゆっくりと影が周囲に広がっていく)
(ぱしゃん。水が跳ねる様な音を立ててその場に気配がしなくなる)

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