ドリトス邸から離れた、場末のbar
依頼後、安ホテルで着替えたらしい男が一人、静かに飲んでいた。
そこにもう一人、客が増える。
（これの後─https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/4648）
居合わせた
https://rev1.reversion.jp/character/detail/p3p009240

……おや、グリジオさん？
(周囲の機微に敏感なのか、黒スーツの痩身が振り向いた)

ん、（呼ばれた名に目を細めて店内を見やる。先ほどまで一緒だった姿に気づき片手を挙げた。）

ああ、アンタか。お疲れさん。
仕事上がりの一杯とは優雅だな。

『まあ！人のこと言えないのだわ！』
『飲みに出てるのは同じなのだわ！』

なにせ独り身なもので。レディーナさんには降られましたしね
(どうぞ、と隣を指し示し……やや上を見上げ)
…………ああ、『そちら』にいらしているのですか。
心配しましたよ、お姫様がた。彼がいなくなってしまったから。
（明らかに蛍のような光に向かって微笑んで話し掛けた）

なら、俺よりも若い女に声を掛ければいいんじゃないのか。
（呆れたように言いながらも隣に座り）

…、……。知り合いか？
（双子の幼女たちが嬉しそうに相手の回りを飛び回る姿に眉を潜めて）

皆さん先約済みでした
(小さく舌を出して肩を竦める)
ええ、あなたの前の宿主の時に。

前、ね。（飴色をした度数の高い酒をロックで注文して）

『先約なんて奪えば良いのだわ』
『微笑んで手を引いてしまえば良いのだわ』
『あの子ならそうするのだわ』
『あの子なら出来るのだわ』

ええ、何か聞いているので？
（先に頼んでおいたビジエを譲り、別のものを注文）
ヴォルペさんならそうしたのでしょうが、
正直、女相手は得意ではないので振られるくらいが丁度良いんですよ。

さあ。
勝手に耳に入るのは「ロクでもない男の話」ばかりでね。
本当にそんな人物が存在するのかにわかにゃ信じられないがね。

『本当なのよ！』
『本当なのだわ！』

…はいはい。
それで、あれだけ口説いておいて得意ではないと言われてもな。
（酒を受け取り譲られた皿に軽く礼をして）

ああ、なら本当ですよ。
生きてはいませんでしたが、それっぽくした男でした。
(追加の酒と燻製の皿を受け取り)
あれは彼女が素直だからですよ。
……少々心配になる素直さでしたね、彼女。