花畑広がる原っぱに、鬱蒼と茂る森の奥に、街の路地裏に、海辺の洞窟の中に、その店は在る。縁があるなら、必要だと思った時にあなたはここに来る事ができるはずだ。

外観は二階建てのログハウス。店の機能を持っている一階には商品陳列棚、カウンター、後は数人が談笑できる程度のテーブルと椅子がある。

カウンターに置いてある椅子に座っているソレは笑って言った。

「いらっしゃい、何処でもないドコかへ。誰でもおいで。何か買いたければカウンターへ向かうといい。急ぎじゃないコは万色の“世間話”をしようじゃないか。ヒヒヒヒヒ……」

いかに非人道的な行為かは重々承知だ。生き恥を晒してでも俺は目的を完遂せねばならん。そうでなければ……
（海洋に残してきた家族の姿が脳裏によぎる。眉間に皺を寄せ、頬に触れる手の優しさに歯噛みした）
だがッ！辞めてもなお、騎士としての吟醸はある。丸腰の相手を殺めるなど俺様の主義に反するのだ！！
店主よ、貴様が欲するそのモノガタリとやら……朝長が紡げて、この俺様に紡げぬ筈がない。
俺様をこの店で雇え！！＞武器商人

やはり、ランベールの部下はそういう仕事をやっていたのか。道理で部隊解体の際に徹底して情報が処理されていた訳だ＞朝長

（わっしゃわっしゃと大きな掌で、髪型が崩れるくらい大きく撫でる。満足がいくと手を離し）そうか。今も愛らしいが、スーツ姿も見てみたいものだな！＞悪夢