花畑広がる原っぱに、鬱蒼と茂る森の奥に、街の路地裏に、海辺の洞窟の中に、その店は在る。縁があるなら、必要だと思った時にあなたはここに来る事ができるはずだ。

外観は二階建てのログハウス。店の機能を持っている一階には商品陳列棚、カウンター、後は数人が談笑できる程度のテーブルと椅子がある。

カウンターに置いてある椅子に座っているソレは笑って言った。

「いらっしゃい、何処でもないドコかへ。誰でもおいで。何か買いたければカウンターへ向かうといい。急ぎじゃないコは万色の“世間話”をしようじゃないか。ヒヒヒヒヒ……」

ありがとう。
これで少し行き来が楽になるかしら。
(手帳を取りだし、何か書き付けてページを破り)
エリゴール
(黒い翼をもった、鳥のような存在が呼び声に応えて姿を現す。それの脚に小さく畳んだページをくくりつけて)
行きなさい(外へと放った)

……ん？
何かおかしな格好なのかしら？
鴉魅