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商人ギルド・サヨナキドリ

【RP】二階・白い部屋

その部屋は四方の壁から床まで真っ白で、窓も無いような部屋だった。

部屋の真ん中には引き出しも無い簡素な白いテーブルが一卓と同じく簡素な白い椅子が二脚。

辛うじて部屋の一角にある本棚と、そこに陳列されている本たちが、この世がまだまともな色彩を持っているのだと教えてくれる。

壁をよく観察するならば、隠れるように同色の扉が存在しているのがわかるだろう。そこが唯一の出入り口らしい。

ーー遠くで微かな悲鳴が聞こえた?なに、気にするほどの事では無い。

参加
武器商人
ヴァイオレット・ホロウウォーカー

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さて、心霊写真の女の噺だったね。

時は旅人たちでいう2000年代。キミも馴染みのある時代かな?
ある若い男が、自宅で友人と飲み会をしていた時の話だ。

酒好きの男たちは大いに盛り上がってね。気持ちの良い気分で酔っ払いながら、盛り上がっている様子をSNSにアップロードしようと友人と写真を撮ったんだ。

そうしたら、撮った写真からなんとはなしに嫌な気配がする。
はて、なんだ?と男が不思議に思っていると、「おい、」と友人が青い顔で“ある箇所”を指差した。

そこは押入れ。ほんのり開いた隙間に……蒼白い女の顔が写っていた。

じっ…………、と。

眼を見開いて食い入るように男と友人の後ろ姿を眺める恐ろしい視線は、写真越しでも自分達を見ているような心地に囚われる。男達は当然、飲み会どころの話じゃあない。2人揃って慌てて逃げ出して、その日は友人の家に泊まったのさ。

一夜明けて、男は酒が抜けると大学の後輩に霊感が強い者がいたのを思い出した。
いてもたってもいられなくなって、男は早速その後輩に「部屋に幽霊がいる、助けてくれ」って写真を送信して視てもらったんだ。

すると後輩はこう返事を返してくれた。
「近くにいた浮遊霊が写真に映り込んじゃってますね。これなら、盛り塩をーー」
霊感のあるコはすぐに返信を返してくれてね。男は手順を聞くとすぐに家に帰って実行し、部屋の写真を撮って後輩に送ったんだ。

後輩は「もう幽霊はいませんよ。一緒にいた人たちにも大丈夫って伝えておいてください」と太鼓判を押してくれたよ。もちろん、男は喜んで後輩に礼を伝えた。今度家で飲もうと後輩を誘って、それから友人にもう大丈夫って連絡したのさ。

ああ、それから最後に。後輩はこう書いて返事を締めくくっていたんだ。

「こういう写真を撮ろうとすると、雑多な霊が入りやすくなっちゃうので気をつけてくださいね」

ーーお了い。

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