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惑いの花酒亭

【酒場/RP-5】

年が明けた。
古い時間の皮を脱ぎ捨て、混沌は今日もまた滅亡へ駒を進める。

それは兎も角として過ぎゆく日常に変わりはなく。
ただ新年という祝い事を喜び騒ぐばかりである。
幻想の薄暗い路地にある花薫る酒場もまた例外ではなく……。


年明けから数日後の、そんな夕暮れである。

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ふぅん、海が近いとそんな料理が生まれるのか。
今年も夏は海洋で祭があるだろうし、その時店を探してみるかな。

そういえば酔い過ぎないようにするテクニックとかないのか?
腹に何か入れるとか、水飲むとかしか思いつかないけれど。
(腕に寄りかかられるままにぐぐっと体が傾ぐ。
 うわー、だなんてわざとらしい悲鳴まで付け加わって)

二度と顔を見ることが無かったんなら、そういう事のようにしか聞こえないな。
しかし筋肉で中が守られると言っても、亘理けっこう傷跡あるだろう。
その縄張り争いも結構な頻度だったようだ。
(そうしてサクサクと食べ進めていれば、聞こえた声に手が止まる。
 もっともなその内容、忠告に素直に従いスピードが落ちる。
 揚げ物の合間に届く花の香りは、相変わらず魅力的ではあったけれど)

モグラの獣種とかが隠れてたら案外ありえそうに思えてきたな……
地面なんてどこまで続いてるかも分からないし。
個人的には毎回中が変わる迷宮の方が嫌だな、苦労して地図書いても意味がない。

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