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惑いの花酒亭

【酒場/RP-5】

年が明けた。
古い時間の皮を脱ぎ捨て、混沌は今日もまた滅亡へ駒を進める。

それは兎も角として過ぎゆく日常に変わりはなく。
ただ新年という祝い事を喜び騒ぐばかりである。
幻想の薄暗い路地にある花薫る酒場もまた例外ではなく……。


年明けから数日後の、そんな夕暮れである。

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話を聞くだに面倒見のいい男よねェ、アナタ・
そうね、じゃあ今度二日酔いになった時にはお願いしようかしら。
ラダも一緒に食べましょ、二日酔いになって。
(材料だけなら用意できなくもないだろう、と。
 手早く用意され、差し出された温かなスープをそっと啜った)

ヨシヒロのところって平和なのかそうじゃないのかたまに分からなくなるわねぇ。
でもお腹で良かったじゃない、肝臓は避けたんでしょ?
首とか脇の下よりまだマシだものね。
(お相手はきちんとオシオキした?と首を傾げて)

(注文を受けて女店主は少し考える。
 それから温かい茶を三人分と飴掛けの胡桃とアーモンドを皿に盛った。
 茶からはふわりと茉莉花の匂いが立ち上る)
ふふ、今日ばかりは酒場じゃなくて喫茶みたいね。

あぁ、果ての迷宮ね。そういえばそんな話があったわ。
誰も踏破したことのない迷宮、ね…。出てくるものにはちょっと興味はあるわ。
でもヨシヒロのいうスライム化施設みたいなのがあったらイヤね…。
ちょっと…大分、死ぬよりイヤね…。

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