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惑いの花酒亭

【酒場/RP-4】

夏も過ぎ、和らぐ暑さに微かな秋の気配を感じる。
海洋で聊か賑やかな夏の一時を堪能し、久しぶりの酒場カウンター。

ちょっと複雑な顔をした黒豹がハーブ香るムニエルを食べていた。
その他にも山盛りのフライなどがカウンターに置かれている。
なんでも、海洋に行った折に珍しい魚を仕入れたのだとか。

ずいぶん大きな魚で鮮度もすぐ落ちてしまうらしい。
今夜はサービスだと温和に海種のマスターは微笑む。
ところで、なんという魚だろうと問いを投げれば心底釈然としない顔の黒豹が口を開いた。

「マンボウよ」

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まあ、鮫は強いのみでなく美味しいとはなんとも二物を与えられた気分で。
(人気者は困りますねえと、マスターに微笑み)

ふむ、良いのではないですか? 海もまた弱きは食われますし、私も魚は好きですよ。
……逆に食われる可能性もありますし? そういう意味では平等です。
白身魚なら、私は溶かしたバターでソテーにして欲しいですね。レモンも添えてください。
(カップを掲げれば、ご機嫌そうにウインクを)

楽しければ良いというのはわかりやすくて良いですねえ。
なかなか愉快な方々が住んでいたのですね、ワタリのところは。
厄払いですし、いっそ盛大に何か燃やすのではなくて?
厄とて焼けば灰になりましょう。

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