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惑いの花酒亭

【酒場/RP-4】

夏も過ぎ、和らぐ暑さに微かな秋の気配を感じる。
海洋で聊か賑やかな夏の一時を堪能し、久しぶりの酒場カウンター。

ちょっと複雑な顔をした黒豹がハーブ香るムニエルを食べていた。
その他にも山盛りのフライなどがカウンターに置かれている。
なんでも、海洋に行った折に珍しい魚を仕入れたのだとか。

ずいぶん大きな魚で鮮度もすぐ落ちてしまうらしい。
今夜はサービスだと温和に海種のマスターは微笑む。
ところで、なんという魚だろうと問いを投げれば心底釈然としない顔の黒豹が口を開いた。

「マンボウよ」

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(一体何を解体するショーが始まるのか、
 聞いてはいけない気がしたので黙っておく事にした)

――やぁレモラ、久しぶりだ。
最近段々と風が冷たくなってきたからな、そろそろコートの準備も要る頃合か。
フードの代わりに耳当てなんかは……使いづらいかな。

(ヒレ耳に視線をやって中々に難儀だと苦笑し、こちらもフライをサクリと食む)

狩りと言えば、妙な獣がよく出るって話も聞くようになったか。
流石に食べたら腹を壊しそうなのばっかりだったけれど。
普通の狩りの手伝いなら私も行ってみたいよ、猪でも鹿でも。

何、腕試しというのはただの印象だ。
亘理の言うように、幻想でばかり起きてるからな。
……砂蠍は、やはり単に狙いやすいから幻想なんだろうよ。
鉄帝は冬が厳しすぎるし、天義は死にに行くようなものだろうし、海洋は海が面倒。
まぁ、舐められてはいるだろうな。

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