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惑いの花酒亭

【酒場/RP-3】

それはこんもりとしたチョコレートの山だった。
カウンターの中では店に戻ってきた海種のマスターが屈託なく微笑んでいる。

なぁにこれ、と問う黒豹にお土産だと答えが返ってきた。
一口サイズのチョコレートがころころとカゴに盛られている様は可愛いと言えなくもない。
首を傾げながら一粒を口に放った黒豹に、そういえば、とマスターから声がかかる。

外れは激辛ペースト入りらしいの、と告げられた言葉に黒豹は無言で甘ったるいチョコレートを噛み砕いた。

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カウンターにマスターからのお土産『海洋水芸チョコレート』が盛られています。
甘くてとろけるようにおいしい。
けれど外れあり、食べる際には乱数チェック。
ゾロ目が出た場合それは激辛唐辛子ペースト配合チョコレートです。
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それについては安心したよ。今夜はちゃんとした食事にありつけそうだ。
(頼むよマスター、と空いているカウンター席へつきながら声をかける。
 それで効果があるとも思ってはいないが、挨拶代わりというやつだ)

レモラと――そちらがアレクシアか。
今夜は、いや今夜に限らずかもしれないが、ともあれよろしく。
(紹介された順に手を上げて軽く挨拶すると
 勧められるままにチョコレートを口に入れようとして
 ――寸前で、黒一点の彼の様子に気がついた)

チョコレートに唐辛子? どこぞの酒のつまみ、ではなく悪戯用か。
グラオ・クローネというよりも収穫祭向けのやつだったか。
(まだだいぶ先だけれど、等と呟きつつ改めて口に放り込む)
3

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