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惑いの花酒亭

【酒場/RP-3】

それはこんもりとしたチョコレートの山だった。
カウンターの中では店に戻ってきた海種のマスターが屈託なく微笑んでいる。

なぁにこれ、と問う黒豹にお土産だと答えが返ってきた。
一口サイズのチョコレートがころころとカゴに盛られている様は可愛いと言えなくもない。
首を傾げながら一粒を口に放った黒豹に、そういえば、とマスターから声がかかる。

外れは激辛ペースト入りらしいの、と告げられた言葉に黒豹は無言で甘ったるいチョコレートを噛み砕いた。

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カウンターにマスターからのお土産『海洋水芸チョコレート』が盛られています。
甘くてとろけるようにおいしい。
けれど外れあり、食べる際には乱数チェック。
ゾロ目が出た場合それは激辛唐辛子ペースト配合チョコレートです。
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(微かな風の流れに獣の耳が揺れた。黄金の眼がドアの方を見て、それから少し視線が下げられる。スツールに腰掛けたままでも見下ろせる小さな新客ににこりと愛想笑いを向けた)
あら、見ない顔ね。いらっしゃい、きちんとした酒場だから安心してくれて良いわ。
チョコレートは…良ければおひとつ如何?ここのマスターの帰郷土産なのよ。
(カウンターの中からおっとりとした海種の女性がにこりと微笑みを向けた)
可愛い海種さんね、良ければカウンターに来ない?まだ他の常連が来なくて寂しいの。
私はリノ、この酒場の用心棒兼お客よ。

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