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惑いの花酒亭
確かに、これは壮観だな。
(その隣で自分が持ってきた種々の団子のうち一つを摘まみながら
零れ落ちそうな程に咲き誇る枝ぶりに声が漏れた)
外から眺めるだけでも結構なものだったが、こうして見上げるとまた別格だ。
……マスターが来られなかったのがちょっと残念だな。
(その隣で自分が持ってきた種々の団子のうち一つを摘まみながら
零れ落ちそうな程に咲き誇る枝ぶりに声が漏れた)
外から眺めるだけでも結構なものだったが、こうして見上げるとまた別格だ。
……マスターが来られなかったのがちょっと残念だな。
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黒豹からそんな誘いがあった。
なんでも街はずれに薄紅の花を咲かせる見事な大樹があるらしい。
きちんと片付けさえすれば酒盛りをしていいと地主に話をつけてきたのだと婀娜に女は笑った。
どういう手管を使ったのかは、まぁお察しだろうが。
「マスターは来られないけど軽食と飲み物は提供してくれるそうよ。あとは各々好きなものを持ち寄ってオハナミなんてどうかしら」
異世界の行事を真似てみたいの、と。
薄紅の花弁を零すその木は『桜』という花らしい。