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惑いの花酒亭
(花弁零れる木の下、柔らかな絨毯に転がるクッション。
ぷかり、水たばこを吹かす黒豹が一匹)
……ふふ、綺麗ねェ。
(桜の木の下、すでに一杯引っ掛けているらしい。
並ぶ軽食をつまみながらご機嫌な黒豹が葡萄酒の杯を傾けていた)
ぷかり、水たばこを吹かす黒豹が一匹)
……ふふ、綺麗ねェ。
(桜の木の下、すでに一杯引っ掛けているらしい。
並ぶ軽食をつまみながらご機嫌な黒豹が葡萄酒の杯を傾けていた)
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黒豹からそんな誘いがあった。
なんでも街はずれに薄紅の花を咲かせる見事な大樹があるらしい。
きちんと片付けさえすれば酒盛りをしていいと地主に話をつけてきたのだと婀娜に女は笑った。
どういう手管を使ったのかは、まぁお察しだろうが。
「マスターは来られないけど軽食と飲み物は提供してくれるそうよ。あとは各々好きなものを持ち寄ってオハナミなんてどうかしら」
異世界の行事を真似てみたいの、と。
薄紅の花弁を零すその木は『桜』という花らしい。