扉を開けば、そこは小さな魚市場。
鮮度を保つ為、水槽がいくつかあったり、干物だったり。
棚に並ぶのは、ザルの上。

流石に開店は明日から、と。(未だ空っぽの棚や水槽を眺めながら、頭をがりがりかく。早朝から仕入れや、釣りに出掛けたほうが良さげだ。───尤も、儲ける気は、あまりないが。)

さて、明日は何の魚があるやら────。

─────────(翌日)─────────

(昼間は儲けはぼちぼちであったか。小料理屋という概念は、この世界はどうなのか。──────なんて、酒を傾けながら、過ごす夜。)

すまないがやってるだろうか？(ひょっこり現れて声をかける)

(やってないようだから静かに帰る)

おやん？人が居たような───？(リアルタイム稼働ができない身、肩をすくめる。)

こんにちは。アルエット探検してたらここに来ちゃった。
ここは、料理屋さんなのかな？

おっと。────いらっしゃい。(思わぬ来客に、目を丸くして。)魚の販売や、料理を出しているよ。

お魚の料理が食べられるの？
アルエット、ちょうどお腹がすいてたの。今日のオススメめにゅーは何ですか？

オススメか。(少し考えた後、奥から銀のトレイに入った赤身の魚を取ってくる。それを火で軽く炙り、切り分ける。酸味のある果実を絞り、黒い甘辛い調味料と合わせて、小皿に入れ。)───なら、こいつかな。魚市場で見たんだ、名前はわからん。鰹みたいだが、この世界ではそれで通るのか？……あ、ギフトで安全、味は確認済みだ。(どうぞ、と。鰹に似た、その魚をタタキで出す。)

邪魔するぜ。
店主、生きのいいタコは入っているかい？
店でタコのカルパッチョを出したい。新鮮な奴を探しているんだ。

あいよ、らっしゃぁイ？活けで良いかい？(水槽の中にある壺を引っ張り出し、其れに疑似餌を突き出し。タコがそれに絡みつき、姿を現して。それを水のはいった発泡スチロール箱にぶちこみ。)

おお！　いいタコだ。こいつならとびきり美味いカルパッチョが作れるぞ。
ありがたくいただいていくよ。
お代はいくらだい？

海の幸にありつけると聞いて。お邪魔するよー

そうさね、初顔はオマケして…、こんなもんで。(す、と値段を書いて出す。相場の2割から3割引いた値段だ。) ───と、いらっしゃ、…………。(目を細める。はて、何処かで。スカイウェザーな知り合いは、と考えたのち。)なんにする？

寿司はやっぱり旬のが良いからねー...大将のおすすめで！あ、お金ならあるよ。(丸投げである)

おお！　初回サービスとはいえ安いな。
ありがたい。
なにせこれから制服を作ったり、部屋のインテリアを揃えたりと金が出ていく一方だ。
遠慮なくその値で買わせてもらうよ。

ジャマするわよー！
あーお腹減った！　ねぇ、ここお魚あるんでしょ？
貝ない？　貝。
（唐突に入り込んできて、早速の注文。空腹らしいが、やけに元気に笑っている）

(寿司。そう言われたら、無難に赤身の脂の乗った部分、卵を甘く焼いたもの、そしてイカやタコを引いて、シャリと一緒に握り、出す。) 飲み物は茶でよいか、────とと、いらっしゃい。見ての通りだが、貝ならあるよ。アワビや、トコブシ、あとは煮はまぐりなんかも。

　先刻は団子屋を見つけたと思ったら、今度は寿司屋があった……はて、シースー？　寿司とは違うのでござろうか？　何にせよ、今の拙者の懐具合では厳しいでござろうなぁ。というか、こっちに来る前でも数える程しか食べた事ないでござるよ（トホホ；）。