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壺中天

中華街の片隅で

あらゆる人種と文化が雑然と入り混じったとある中華街の片隅にその露天はあった。
店頭に置かれたカライアピーからは蒸気がもうもうと吹き出し、炊かれた香の匂いと店主がしきりに吹かす紫煙が混じり合い、奇妙な甘ったるい匂いを発している。
ゴザに雑多に並べられた商品の大半はは用途は窺い知れないが、どうみてもガラクタのように思える。
貴方の視線を感じたのか、店主がにやけた笑顔を浮かべながら話しかけてくる。
「旦那、いいモノあるヨー」

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あん?先客がいんのか。こいつはいけないね。みっともないとこ見せちまった全部コイツが悪いんだけど。(とシーイーの方を目線をやる)
伝説を越えてるヨ。じゃねェよ。ほんとに。(へらへら笑いに勢いが削がれ)
一回吊るか。足を紐で括って窓から吊るか。
それかとりあえず吹っ掛けた分返せ。角杯の意匠が気に入って買ったのはアタシだからね、全額返せたぁ言わないよ。どんだけ吹っ掛けたかは知らねェが、さすがに一月の飲食代と同じは高いだろうよ。あれ自体が伝説の獣の角で作られた伝説の海賊の愛用の角杯ってんなら知らないが。あと、その酒は試飲させな。

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