王都メス・メフィート。
そこの大通りには何軒も酒場があり、中流階級や旅人で賑わうことだろう。

大通りから1本外れた裏路地にも、
何軒か酒場はあるに違いない。
あるいは、お忍びの貴族や富裕層向けか。
あるいは、もっとも酒場を必要とするゴロツキ向けか。
あるいは、「個人的な付き合い」をヨシとする穴場スポットか。

それから更に内側の通り、いや、
それはもはや家と家の狭間が詰められなかった故に空いただけのスペースというほうが相応しい。
ロクなモノなど転がっちゃいない。
奇声も悲鳴も表に届きやしない。

そんな通りに1軒、酒場がある。
営業している気配はない。そりゃそうだろう。廃墟というやつだ。
しかしながら廃墟にしては随分と綺麗な建物だ。まるで昨日まで何事もなく営業してたかのような……。


知る人は知っている。
今はそこは、家族を持たぬ一人の少年の住処なのだと。

………
※雑談用スレッドです。
訪れたり話しかけてくれると喜びます。背後が。

先日はありがとう。とても助かったわ。

まー、あんなんはな。
……って言いたいところだが、腐っても魔種。正直、思ったより苦戦しちまったぜ。

そういう意味じゃ、お礼は他の奴に言った方がいいかもしれねぇな。

もちろんみんなにも感謝してるわ。
その上で貴方にも感謝しているわ。
魔種に対しては、被害が出る前にもっとこちらから何かできるようになりたいところね。
また何かあったら、貴方にも力を貸してもらえると嬉しいわ。
それじゃまたね。

へへっ。まぁ、次こそはちゃちゃっとスマートに片せるようになりてぇところだ。
何かその辺に秘密兵器でも落ちてないか探しておこうかな……

お、もう行くのか。じゃあな。

こんにちは。
誰か、居るでしょうか？

はいはい、いまは休業ちゅ……おっと？
ええと。エストレーリャ、だったよな？
よくこんなところに来たもんだ。
まーとりあえず座ってけよ。急ぎの用があんならアレだけど。

こんにちは！サンディさん。
お休み、だったのですね。
用事も急用もないのですが、近くを探検してて、たまたま。です！

あ？いやあれだぜ。てっきりお前が酒場に用があんのかと思って言っただけだ。
そもそも営業してねーぜ。ここ。

探検ね。そういやここらへんに来たのは最近なんだっけ？
この辺はそこまで治安良くねーからスリとかにはちょっと注意しとけよ。

……！！　お店じゃなかったのですね
サンディさんがいるのは、ここがサンディさんのお家でしょうか？

はい。深緑の森にいたのですけど、最近、喚ばれました！
そうなのですか。ちょっと危ないのですね……。教えてくれてありがとうございます！

まー分かんねぇよな。酒が欲しかったなら記念に棚のワイン1本ぐらい持ってってもいいぜ。味は知らねぇけど。
家……ではねえが、まぁ似たようなもんだな。

深緑か……そういやハーモニアだもんな。
結構こっちとは違うんだろ？多分ほら、商人の数と品物とか、うるさ…賑やかさとか。

寝床、みたいなものでしょうか。僕は、ワインはまだ飲めないのです。
サンディさんも飲まないみたいですが、もう飲めるお年なのですか？

はい。僕はほとんど森にいたので、首都の方はわからないですが、商人さんは時折、ラサから少し来ていたくらいですね
森の中は静かですけど、幻想ほどじゃないですが、けっこう賑やかです！
幻想には少ないですけど、動物に精霊に、人じゃない生き物がいっぱいです

まーそんなところだ。雨風どころじゃなく凌げるし、色々あるからな。
年かー。飲めてもおかしくねーはずなんだけどいかんせん数えてなくてなー。わかんね。

へー。森の中ってこう、すごい静かで、たまにガサって音がすると何か飛び出してくるような印象だったな。
……精霊？精霊が見えるのか！いいなー。楽しそう。こーゆーところにゃあんまいねーのかな精霊。

数えてなかったのですね……！
僕も生まれ年が分からないので、年齢は大体ですから、似てますね

そうそう。たまに、飛び出してくるとびっくりします！
風の音や動物、精霊。気づくと色々な音がありますよ。精霊は、自然物に多いみたいで、こちらではあまり、見ないでしょうか？

生まれ年が分からない……？
お前もあれか、孤児出身なのか？
なんか育ちが良さそうに見えたが……まぁ見かけじゃねぇっていうしな。

へーえ。なるほどなぁ。自然物か……。
まぁでもあれだもんな、人が手をつけてなきゃ自然物だもんな。精霊は元からいた側の存在だし、人間の都合で出来た街にみんなが馴染めるわけじゃねーか。

僕は孤児、でしょうか？
少し昔の記憶が思い出せないので、森の仲間に聞いた年齢です
育ちは、師匠になってくれる人が居たから、ですね。色々教えてもらいました！
サンディさんは、そんな人とか居るのでしょうか？

そうですね。精霊も、住心地がいい場所の方が、好きそうですしね
僕らが気づいていないだけで、自然の中にお家があるのかもしれません！

でしょうか、ってお前。記憶喪失か……それもまた中々大変だったんだな。まーでも、師匠がいたんならそーでもねーのか。

俺？俺にゃ師匠はいねーよ。
赤ん坊のときこそ誰かが育ててくれたはずだが、
記憶が始まったときからロクデナシ共のド真ん中だ。
……いや、でも言い訳のやり方とかを全部1人で身に付けたわけでもねーか。もしかして俺にも師匠いたのかな……？
まぁロクでもねー奴なんだろうけど。

精霊のおうちか……そう言われると覗いてみてーな。
どっかそのへんの葉っぱの裏とかにねーかな？

はい。
サンディさんは……、ろくでなしさんですか？　あまり悪い人には見えません
師匠か、誰か、見て覚えたのかもですね！
動物も人も、知らないことは真似して覚えるのは一緒みたいですし

葉っぱの裏とか、樹洞とか、ありそうです！
精霊のおうち探しに、街を探検してみたりしたいですね

ナチュラルボーンろくでなしだぜ。
まぁ確かに世の中にゃいかにも「オレ悪です！」みたいな見た目の悪い奴もいるが、
悪い人に見えないからって悪い人じゃないとは限らないもんだぜ。
会う場所がここじゃなかったら財布ぐらいは盗んでるかもしれねぇ。

まー確かに、人数だけは近くにいたからな。
どいつもこいつもピーピー泣いたりどうしようもねーモン抱えたりしてたが、
ある意味じゃそいつらにも何か教わってたかもしんねーか。

おうちとなると……やっぱ大きな樹の葉っぱとかのがいいのかな？
でも公園は人通り多いしな。とすると……（ぶつぶつ）

見た目に騙されてはいけない、というやつですね
今はこうしてお話できているのに、難しいです……。
でも、なら、ここでサンディさんと会えたことはとても幸運ですね。ローレットに来て良かったです！

賑やかなところだったのですね。
お互いに影響しあっていたのかもです

大きな樹の葉っぱやうろは、居そうですね！
森の動物も、そんな場所が好きですから。人の少なめの場所が、お家になりそうでしょうか

逆におまえなんかは特段牙とかなさそうだよな。
いや、弱いとかそういう意味じゃなくて。
まー確かに幸運っちゃ幸運か。

なるほどな。動物って言ってもヘビとかだとちょっとばかし厄介だが、そーゆーのが多いところに集まりやすいのかな。かわいい女の子の精霊とかいないかなー。

牙、ありますよ……！（アリクイのポーズ
戦うのはあまり、好きじゃないですけど

ヘビも、大人しい子は大丈夫ですが、そうでない子は注意ですね
かくれんぼみたいに隠れてそうです！　可愛い子も、多そうですね
サンディさんは、女の子の精霊が好きなのですか？

牙…？（ホントかぁ？みたいな、多少侮るような感じはあるかもしれない）
ま、持ってんならいいのさ。あんまり普段から振りかざしちゃしょうがねーしな。
俺だって殴り合い自体はそんなに得意じゃねーし。

なんか毒持ってたりネズミ丸呑みしてる印象があるが、
おとなしいヘビってのもいるんだな…。何か意外だ。

精霊じゃなくても女の子は好きだぜ。
戦乙女とか雪女みたいな殺されそうなのはさすがにちょっと怖いが。

剣を持つのと、振るう事は別、ですしね。
ヘビも、怖い毒を持ってたりしますが、無闇に使ったりしないですしね
殴り合いが得意な人は、少なそうです。ラサの傭兵さんや、噂に聞くラド・バウの闘士さんとかでしょうか

ヘビも、臆病な子はすぐ逃げていきますよ。
人間は大きいので、小さなヘビにはご飯にもならないですしね

女の子が好き。は、普通？でしょうか。ボクは、あんまり性別では、変わりませんね
戦乙女は分かりませんが、雪女さんは旅人なら、居たりしそうです
銀の森には、かなり高位の氷の精霊もいるみたいですが、殺されは、多分しないでしょうか

へー。ヘビの刺青入れてる人とかはほぼ怖い奴らなのにな。ホンモノのヘビはむしろそんなことねぇのか。
俺がたまに覗きにいく酒場なんか自称腕自慢ばっかだぜ。強さはピンキリみたいだが。

普通かどうか……どーだろうな。
まー、もしかしたらそのうち分かるかもしれねーぜ。
いや、分かんなくてもそれはそれでいいんだが。
雪女は言われてみれば最近街角で見かけた気もするな……

高位の氷の精霊か。こう、向こうに殺す気が無くてもこう、姿を現す時の気温が-20度みたいなことはありそうな気がするぜ。